【中学GIL】東大発祥「パスタブリッジ」ワークショップ
2024年度末に、中学GIL(Global Innovation Lab)では、パスタブリッジ作成ワークショップを開催しました。参加生徒は、あらかじめ組まれた橋の土台に、追加でパスタ5本とグルー1本を加えてパスタブリッジを作成し、その強度を競いました。
<パスタブリッジ作成と初期テスト>
ワークショップでは、まず、参加者は事前に用意された橋の土台に、追加のパスタとグルーを使って橋を補強しました。創造性を発揮し、様々な形状の橋が作られました。
完成した橋の強度を測るため、500mlのペットボトルを吊り下げてテストを行いました。しかし、20班中、500mlのペットボトルに耐えられたのはわずか1班のみでした。この結果から、橋の構造が強度に大きく影響することがわかりました。
<トラス橋、アーチ橋の紹介と改良>
テストのあと、ファシリテータによるレクチャーが行われ、生徒たちはトラス橋やアーチ橋など、実際の橋で用いられる構造について学びました。これらの構造は、力を立体的に分散させることで、より大きな荷重に耐えることができます。
学んだ知識を活かし、参加者はパスタブリッジの改良に挑戦しました。力を分散させるための工夫を凝らし、構造を補強することで、より強度を高めることを目指しました。
<改良後のテストと優勝>
改良後、再度500mlのペットボトルを吊り下げてテストを行いました。その結果、3つの班が500mlのペットボトル1本に耐えられるように改良することができました。
最終テストでは、500mlのペットボトル2本に耐えた班が優勝を勝ち取りました。優勝班の橋は、構造力学の知識と創意工夫が活かされた、非常に強固なものでした。
<ワークショップを終えて>
このワークショップを通して、参加者はパスタブリッジの作成を通して、橋の構造や強度について実践的に学ぶことができました。また、試行錯誤を繰り返すことで、問題解決能力や創造性を養うことができました。
参加者からは、「橋の構造について学ぶことができて面白かった」「チームで協力して課題に取り組むことができてよかった」といった感想が寄せられました。
<大学生担当者コメント>
阿知波さん:
パスタブリッジコンテストは2004年に東大の研究室が発祥となり、メディアで取り上げられたこともある由緒あるワークです。最初はあえてノーヒントで作成してもらった結果、平面を強くするように作成していた班もありましたが、トラス橋やアーチについての解説を加えた結果、500mlのペットボトル2本の重量にも耐えうる橋を作り上げた班もありました。1本のパスタ自体は弱くとも、加工し、繋ぎ合わせることで重いものを持ち上げられるように、生徒のみなさんにも大きな問題には周りの仲間たちや大人を巻き込み、力を合わせ立ち向かっていってほしいと願っています。
比嘉さん:
男子校の中学1年生というのは良くも悪くもまっすぐであり、「東大生と同じ」というワードを聞くとテンションが上がり、やる気満々な様子が伺え、楽しんで取り組んでくれていたと思います。自分としては大学生としてGILの初年度を終えてとてもいい経験になりました。聖学院の OBでありながら、中学生はこちらの想定外の行動をする生き物なのだと改めて感じました。彼らにとっていい経験になったと感じた一年だと思っているのですが、やはりもとの知識の差などで退屈さを感じてしまう子もいたのでそこはプログラムの作り方で来年から工夫しようと感じました。
<担当教員コメント:山本、諸橋、田邊>
年度最後のGILにふさわしく、挑戦と学びの詰まったワークショップになりました。
一見頼りないパスタでも、構造を工夫すれば大きな力に耐えられることを、実験を通じて実感できたと思います。失敗から学び、試行錯誤する姿勢は、これからの学びにもつながる大切な力です。生徒一人ひとりが仲間と協力しながら工夫を重ねる姿が印象的でした。来年度も、実践を通じて学ぶ喜びを感じられる場をつくっていきたいです。