神様に心を向けること(2月7日全校礼拝にて)
新約聖書マタイによる福音書 4章1~11節
イエス様が誘惑を受ける場面の聖書を読みました。
誘惑。
白か黒かはっきりしないもの。
いけなそうだけど、考えようによっては実行しても良いのではないかと思えるもの。
相手は悪魔です。
その言葉は非常に巧みでイエス様の心を揺るがします。
悪魔の誘惑の言葉とはどのようなものでしょうか。
空腹を覚えているイエス様に悪魔は言います。
「石をパンに変えろ。
お前にはそれができるだろう。
自分の力を存分に使え」
高いところにイエス様を連れて行って言います。
「ここから飛び降りろ。
聖書に書いてあるではないか。
天使が来て支えると。
それを実行しろ。
神がお前の味方か、自分で確かめろ」
最後に悪魔が言ったのは
「お前がこの世界に来たのは世界を守るため。
ならば、私にひれ伏せ。
お前の欲しいものはなんでもくれてやる」
悪魔がイエス様に言ったことを整理すればこうなります。
自分の力で生きろ。
自分の力を存分に使え。
待っているな。
時間なんか、かけるな。
今、できることはすぐにやれ。
聖学院のスクールモットー
Only One for Others
自分の賜物を見つけて
それを世界のために用いろ。
悪魔が言っているのはまさにこの言葉です。
お前の賜物
お前が神の子であること。
お前の使命
それを今、確認し、世に示せ。
Only One for Othersは悪魔の言葉なのか。
それとも別の言葉なのか。
もし別の言葉なら、私たちはOnly One for Othersをどのように解釈をすれば良いのか。
悪魔の言葉を聞いたイエス様。
何をしたのか。
何もしていないのです。
石をパンに変えて空腹を満たすこともしませんでしたし
神様が自分を愛しているか、その確認もしませんでした。
悪魔に頼って世界を手に入れることもしませんでした。
イエス様は何もしませんでした。
悪魔とイエス様、何が違うのか。
悪魔は実行しろと言います。
空腹という命の危機を打開しろ。
さもないと大変なことになるぞ。
神が味方なのか、それを試せ。
いつまでも不安のままでいて良いのか。
世界を手に入れろ。
目の前にそれがあるぞ、
世界を救うのがお前の使命だろ。
悪魔の言葉の背景あるもの
根っこ、構造にあるものはなんでしょうか。
世界は怖いです。
この世界は怖いから、止まっていてはダメだ。
自分の力でなんとかしろ。
神だって、お前が何もしなければどこかに行ってしまう。
世界は放っておいたら、とんでもないことになる。
何かしなければダメだ。
今、おまえが立ち上がる時だ。
根底にあるのは「世界は怖い」です。
イエス様、何もしません。
自分で確かめたり、自分の力を使ったり
まして誰かに頼んで自分の持っていないものを手に入れようともしません。
イエス様がずっと言ってきたことは、神様に心を向けることです。
この世界は神が造ったもの。
ならば、その神に従う。
その神を尊重する。
その神は世界を良いものと造った。
その神を信じる。
世界は良いものと信じる。
動く時、語る時、
それは世界を良いと信じているが故にしなければならないと思える時。
怖いから心配だからは、神を、世界を、信じていないことです。
そんな心は持ち合わせていない。
だから何もしない。
Only One for Others
私のOnly One
世界が怖いと思って見出したものは本当のOnly Oneではありません。
世界は良い
その心で見出したものが本当のOnly One です。
そのOnly One こそが、誰かのために、世界のために
世界が待っているOnly Oheです。
世界が待っているOnly One、それを探す1日にしてください。