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私にしか分からないOnly One(1月10日全校礼拝にて)

新約聖書ルカによる福音書2章8~21節

 

クリスマスの物語です。
イエスの母マリア。
この方に注目をしてみましょう。

マリアは天使からみ告げを受けます。
「あなたは男の子を生む」と。
この言葉にマリアは不安を覚えます。
「自分は結婚をしていない。
そんな自分がどうして子どもを生むことができるのか」
これに対して天使は
「心配をするな。
生まれてくる子どもはダビデ王の王座に就くもの。
その支配は終わることがない。
生まれてくる子どもをイエスと名付けろ」
そう言って天使は去っていきます。

その言葉を引き受けたマリアです。
その頃、イスラエルを収めているローマ帝国の皇帝から人口調査の勅令が出ます。
誰も彼もが自分の故郷に帰って登録をしなければなりません。
マリアと夫のヨセフ
彼らも生まれ故郷のベツレヘムへ登録をするために帰っていきます。
登録は全国で一斉に行われるものです。
国中の人が移動します。
宿屋はどこもいっぱいです。

マリアは丁度、出産の時期と登録が重なりました。
宿屋には入れません。
それでも出産の時は待ってくれません。
宿屋でもないところ
物語では生まれた子どもは飼い葉桶に寝かせたと書いてあります。
馬小屋なのか、屋根も何もない、外だったのか、それは分かりません。
ただ、子どもを生むには決して相応しい環境ではなかったでしょう。
そのようなところでマリアはイエス様を生まなくてはなりませんでした。

マリアの思いはどのようなものだったでしょうか。
天使からダビデの位を継ぐ者と約束をされた。
王様の誕生に相応しい場所が与えられると考えていたと想像することは難しくないでしょう。
ところがその環境は宿屋にも入れない劣悪なものだった。
生まれた子どもだって愛するヨセフの子どもではない。
ヨセフはこの子のことをどのように思っているのか。
自分たちの家族は本当にやっていけるのだろうか。
天使の言葉を引き受けたが、不安、心配なことばかり。

マリアのOnly One、私の賜物、私の使命。
それは天使の言葉を引き受け、子どもを生み、育てることでしょう。
ただ、それはどこをとっても不安なことばかり。
本当はそんなものは捨てた方がいいのかもしれない。

おそらくOnly Oneとはそういうものです。
自分だけにしか分からない。
だから他者から賞賛されることはないかもしれない。
自分でも、そんなものを持っていてどうなるのかと思えるもの。

マリアはこの後
生まれた子どもに名前を付けます。
「イエス」とします。
天使から言われたものです。
天使の言葉を引き受ける。
自分の使命を果たす。

その結果
2000年の後、教会は全世界に広がり、私たち聖学院も誕生しました。

私にしか分からないOnly One
それを求める一日にしてください。