【中1国語】「科学的根拠に基づく勉強法」を用いて百人一首を楽しもう!
百人一首は日本を代表する古典文学作品であり、近年でもアニメや漫画の題材として取り上げられるなど大きな力を持つコンテンツです。授業担当者である私も百人一首を愛好し、好きな和歌を詠んだ人物の名前を自分の子どもに命名するほど心惹かれていました。つねづね「百人一首を楽しみながら、学習的にも大きな学びを得られないか?」と考え、それを中学1年の授業で実践しました。
百人一首で相手に勝つためには当然ですが、和歌を暗記しなければなりません。それに際して「科学的根拠に基づく効果的な勉強法」を用い、百人一首の暗記だけでなく他の教科の学習などにも転用できればと考え、以下の書籍の知見を参考にしました。
・科学的根拠に基づく最高の勉強法(安川 康介 KADOKAWA)
・学び方の学び方(バーバラ・オークレー (著), オラフ・シーヴェ (著), 宮本喜一 (翻訳) アチーブメント出版)
授業では上記の書籍の中で紹介されている学習法(1.ポモドーロテクニック、2.アクティブリコール、3.分散学習)を解説し、その勉強法を用いて百人一首の暗記をするよう指示しました。そして1回の授業で二十首ごとにわけて授業を行いました。ちなみに授業では、TOSSオリジナル教材の五色百人一首を使用しました。
はじめの方の授業では和歌を覚えてこず、下の句が読まれてから札を取ろうとする生徒が多かったのですが、回を重ねるごとに、「これは下の句を覚えてこないと勝てない」ということに気づいて学習法に基づいた家庭学習を始める生徒が増え、3回目ごろからはどのクラスでも上の句が読まれてからすぐに「はい!」という札を取る声が聞こえるようになりました。
この学びを百人一首の暗記という、一過性のものにするのではなく、他教科の学習にも生かすよう、生徒に伝え、この単元の授業を終えました。先述した願いのように、この授業で学んだ学習法が今後の生徒の学びを啓くことになれば幸いです。(国語科主任・中1担任:島立光人)