【中学GIL】Makey Makeyを使ってオリジナルゲーム制作
2学期後半の中学生対象のGIL(Global Innovation Lab)では、子どもたちの創造性を育むワークショップ「Makey MakeyとScratchを使ったプログラミングワークショップ」を行いました。インターフェースボードMakey Makeyとビジュアルプログラミング言語のScratchを活用し、子どもたちが自ら考え作り出す体験を通して、プログラミングの基礎を学びながらデジタルとアナログの両面からものづくりに触れることを目的としました。
今回の最終目標はオリジナルゲームづくり。10月19日(土)から毎週土曜日の午後集まり、11月19日(土)には、個性豊かなゲームが誕生しました。
【Day1:Makey Makey入門とコントローラーのテーマ決め】
初日は、Makey Makeyの仕組みを学ぶため、身近な素材を使って呼び鈴を製作しました。お手本の通りに作りあげた呼び鈴を押すと、電気が流れてMakey Makeyが反応し、デバイス上でベルの音がなります。その後、次回の制作に向けて、Makey Makeyを使ったオリジナルコントローラーのテーマを決めました。生徒たちは、「電車の中で使えるコントローラー」「お年寄りでも楽しめるコントローラー」「全身を使って使えるコントローラー」の3つのテーマからランダムに割り当てられ、それぞれのテーマに沿ったコントローラーの設計図を描きました。
【Day2:コントローラー制作】
2日目は、初日に作成した設計図をもとに、実際にコントローラー制作にとりかかりました。各自のアイディアを形にするために試行錯誤を繰り返し、様々な形のコントローラーを作り上げました。
【Day3:コントローラー発表会とゲームづくり】
3日目は、コントローラーの発表会を行いました。生徒たちは、自分たちが作ったコントローラーを説明し、他のグループと作品を共有しました。発表会後には、Scratchを使って「ねこがボールを追いかける」というゲームを制作しました。与えられたテーマに基づいて自分でプログラムを組み、様々な「ねこがボールを追いかけるゲーム」が作られていきました。
【Day4:Scratchによるオリジナルゲーム制作】
最終日には、Scratchを使って、より高度なゲーム制作に挑戦しました。「魚釣り」「パックマン」「いらいら棒」など、前回より難しい手順が入るゲームに挑戦し、プログラミングの楽しさを体験しました。
【生徒感想】
・面白かった、ゲーム作りが楽しく感じた
・スクラッチの変数やプログラミングがわかってよかった
・自由に好きなものを作れてよかった
・今度はもっとすごいゲーム、ブレンダーを使用した3Dモデルでもつくりたい
・今回自分は音楽をメインに作っていたのですが、すごく楽しかった。次やる時はクイズを取り入れてみたい
【スタッフ:大学生コメント】
(伊藤)MakeyMakeyを使ったコントーラー作りのワークは、私がGILに来て初めて企画したワークでした。実は初めて行うGILの前夜、お腹が痛くて眠れないくらい緊張しており、当日もこれで本当に大丈夫なのかと緊張していましたが、前々から念入りに準備もしていましたし、GILの大学生メンバーの方々のサポートもありなんとか形になってくれました。ワークを行うにおいて、生徒さんをどこまでサポートをしたらいいのかというところがワーク全般を作るにおいての大きな悩みどころでした。
実際は、手を尽くしてサポートがいるだろうと思ったところは意外と生徒がすらすらできたり、その逆でサポートがそこまでいらないかも、と思ったところは手詰まりになってしまったりと、まだまだ自分自身も見極めと場数を踏まねば、と感じています。
その私の未熟さをふつふつと感じる一方、聖学院生たちは自主的な思考から何かを形にしていくことにとても長けているのはもちろん、想像力が豊かなことも魅力です。GILを通してこれからも聖学院の生徒みなさんの成長に携わっていけたらと思います。
(阿知波)今回後半のワークではオリジナルゲームの制作を行いました。オリジナルとはラテン語の「origo(はじまり、源)」を語源とする言葉ですが、今回生徒さんたちには一からゲームを考えてもらうのではなく、あえて元のゲームのアレンジに挑戦してもらいました。もちろん0を1にする能力も大切ですが、現代のようにさまざまな情報やアイディアが溢れ錯綜する昨今において、誰かのアイディアを協力して向上させ、時に競争しながら高め合っていくことが必要です。数々のユニークなアイディアに、大学生一同舌を巻くばかりでした。
また、ゲーム作りの作業自体は一人でも行えるものですが、生徒たちはときに大学生やほかの生徒に相談し、隣の生徒の進捗状況に闘志を燃やしながらプログラミングを進めていきました。今回は少し難しいゲームをお手本として設定しましたが、最後まで諦めない生徒さんが多く、非常に頼もしく思いました。決して長くはない時間でしたが、今後さまざまな難関に立ち向かう際に、この経験が生徒さんにとっての一助となれば幸いです。
【担当教員コメント: 山本、諸橋、田邊】
2学期のGILが終了し、1学期から3セットにわたる「デジタルとアナログの行き来」をテーマとしたプログラムが幕を閉じました。大学生の皆さんによる熱心な指導のもと、生徒たちは回を重ねるごとに、工作とデバイスを自在に操り、デジタルとアナログの融合を深めていったように思います。入学当初と比較して、生徒たちの活動は格段に進歩し、よりたくましくなったと感じています。工作とデバイスを連動させる作業を通して、デジタルな世界と現実世界を繋ぐ楽しさを実感してくれたら嬉しいです。3学期では、また新たなテーマのもと、生徒たちのさらなる成長を期待しています。新年を迎えた後、生徒たちがどのような作品を作り出すのか、今から楽しみにしています。