「日本図学会第一回高校生デジタルモデリングコンテスト」審査委員長賞を受賞!~デジタルモデリングで描く未来~
12月8日(日)、日本図学会主催の第一回高校生デジタルモデリングコンテストにおいて、本校の永井健太くん(高1)が栄誉ある審査委員長賞を受賞しました。このコンテストは、高校生たちがデジタルモデリング技術を駆使し、創造的なアイデアを形にする挑戦の場として注目を集めています。永井くんは、授賞式会場となる広島県にある東広島芸術文化ホールへ、赴きました。
【永井くんの創造の歩み・中学入学時から始まった挑戦】
永井くんの挑戦は、2021年に校内に新設したファブリケーションスペース・ファブラボ(FabLab)がきっかけでした。3Dプリンターやデジタルモデリングソフトに触れる機会を得た彼は、すぐにその魅力に引き込まれ、個人の創作活動を始めました。
その後、同じ志を持つ生徒たちと有志のチームを結成し、校内で中心的な存在として活動を牽引。さらに「3Dスーパーサイエンスプロジェクト」に採択されるなど、意欲と技術力を兼ね備えた活躍を続けてきました。このような継続的な努力と経験が、今回の受賞に結びついたのです。
【独創的な作品「USBコードケーブルリール」】
永井くんが制作した作品「USBコードケーブルリール」は、直径約60mm、高さ約40mmのコンパクトなデザインで、実用性と美しさを兼ね備えたプロダクトです。この作品は、3D CADを活用した高度なモデリング技術で制作され、効率的なコード管理を可能にするユニークな機能が評価されました。
彼は、「3Dプリンターの魅力をもっと多くの人に伝えたい」という思いを胸に、初心者でも挑戦しやすいプロダクトの開発を目指し、試行錯誤を繰り返しました。その結果、多くの審査員に感銘を与え、見事な評価を得ることができました。
【コンテスト審査と論文の評価】
今回の審査は、作品の完成度のみならず、事前に提出された論文の内容も重要視されました。永井くんの論文「3Dプリンターの魅力を知ってもらうには?〜USBコードケーブルリールと3D CADのワークショップ〜」は、製作過程の詳細や3Dプリンターを活用する意義を的確に表現した内容で高く評価されました。
論文では、初心者がFusion360を学びながら製作を楽しめるようなプロトタイプの設計と、その教育的効果が詳細に述べられており、実践的かつ未来志向の視点が高く評価されたのです。
【永井くんの受賞コメント】
聖学院に入って初めて3Dプリンターに触れて、沼に引きずり込まれてから4年目、このような賞をいただけたことに本当に感謝しています。
このプロトタイプは、今まで中1から3Dプリンターの魅力をみんなに触れて体感してほしいという想いでTinkercadを用いた名札制作のワークショップを行ってきました。しかし、このワークショップは小さくて実用性の低いもので、オリジナルの物は作れるけれど、3Dプリンターの魅力である「ほぼなんでも作れる」というのが発揮できないのではと考えました。
そこで、「大体の機能が学べて」「作った後も身近に」「ワークショップの後を自走できるように」をコンセプトに、Tinkercadよりも本格的なFusion360を使用したワークショップに切り替えて、そのワークショップのプロトタイプを作成したのがこのコードケーブルリールです。これからは、このプロトタイプを使用して全国のDXハイスクールとコンソーシアムを作りワークショップを全国の中学校・高校などにしたいと考えています。
この賞をいただけたのは聖学院に出会えたから。聖学院に入学していなかったら3Dプリンターには絶対に出会っていないと思います。聖学院だからこそ、このような経験と行動を起こすことがき、いまの自分があると思います。本当にありがとうございます!
【引率教員・山本 周のコメント】
永井くんの受賞は、本校が推進しているICT教育やSTEAM教育の成果の一つです。校内のファブラボは、生徒たちが創造力を発揮する場として設けられ、永井くんをはじめ、多くの生徒がその可能性を広げています。
本校では、今後も個々の興味や能力に応じた学びを支援し、次世代を担う人材の育成に注力していきます。今回の挑戦と成果は、生徒たちにとって大きな刺激となり、未来への道を切り開く希望となることでしょう。