【中1国語】生徒の言葉を啓くには?-読書生活を豊かにするためのABD(アクティブ・ブック・ダイアログ)-
読書という活動は、生徒に新たな知恵や気づきを与えてくれるだけでなく、その人が生きていくうえで大切な価値観を創り出すかけがえのないものです。
そんな読書の重要さを認識し、より本に親しむことができるよう、中学1年の授業では「人はどうしたらより読書するのか」という課題を、生徒同士で知恵を出し合いながら探究する課題解決型の授業を行っています。
自分の好きな本のPOPを作成したり、好きな本を紹介してブックトークをしたり、様々な形の授業を通して読書をする価値に気づいてもらおうとしていますが、今回の授業ではABD(アクティブ・ブック・ダイアログ)という手法を用いて一冊の本を皆で協力しながら読み解いていきました。
<アクティブ・ブック・ダイアログとは>
一人一人が短い担当箇所を読解したあとに、グループで集まって自分の担当箇所をそれぞれ説明することで、効率的に一冊の本を読み解くだけでなく、より集中して文章を理解しようとする意欲やわかりやすく伝えようとする言語化能力が涵養できる手法。
今回の授業で取り扱った書籍は印南敦史さんの「現代人のための読書入門~本を読むとはどういうことか~ (光文社新書)」です。既存の授業では、教科書の中の文章を教師が解説し、それを生徒は黙って聞いたり、ノートをとったりすることが主ですが、このABDの授業では、生徒それぞれが主役で、お互いに自分の読みを伝え合いながら、それぞれの気づきを共有し、文章の読解を進めていきました。教師は最初に授業の流れを説明したあとはファシリテーターやタイムキーパーをするなど黒子役に徹し、生徒が自走して学ぶのを見守っていました。
今後の授業では、「人はどうしたらより読書するのか」という課題解決のための作戦を各自がたて、それを発表・共有しながら、ブラッシュアップし、自分たちの生活の中で実践・試行するという授業や、ビブリオバトルで好きな本の紹介しあうことで、生徒の「なんか面白そうだな」「読んでみたいな」という思いを喚起し、読書機会につなげていくという授業をしていく予定です。機会があれば、また紹介していきたいと思います。(国語科主任・中1担任:島立光人)