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【高2】過去・現在・未来を見つめる沖縄平和学習の旅

ひめゆり資料館で祈る生徒たち

先般10月15日(火)~19日(土)の4泊5日で、沖縄平和学習を実施しました。全日とも天気に恵まれました。
1・2日目は戦跡を巡るなど沖縄の「過去」を、3・4日目はフィールドワークをして沖縄の「現在」を学びました。最終日には、旅のまとめとして、班ごとで調べた内容を発表し、他の班の人達にも情報を共有しました。

【1日目】
羽田空港に朝8:00に集合して、沖縄へ向かいました。最初の2日間は沖縄の「過去」について学びます。那覇空港からバスにのり、普天間基地に突き出たところに位置する「佐喜眞美術館」と、米軍が進軍してきたルートであり日本軍の利用したトーチカ(砲弾から守るのに兵士が立てこもる場所)が残されている「嘉数高台」を見学しました。  
宿泊するホテルに到着し、夕食後に、沖縄国際大学教授 前泊博盛 先生からは、タイムリーな日本の政治の話題から、私たちが平和に向かうにはどうしたらいいのか?を熱く、ご講演いただきました。 

羽田空港から旅立ちます

佐喜眞美術館にて

嘉数高台から眺める

前泊先生による講演会

【2日目】
南部戦跡めぐり 半日は以下のコースでクラスごとに見学を進めました。
① 白梅コース(八重瀬野戦病院壕跡、白梅の塔、魂魄の塔、荒崎海岸など)
② ひめゆりコース(伊原第一外科壕、魂魄の塔、荒崎海岸など)
現地のガイドである沖縄平和ネットワークの方に南部戦跡をご案内いただきました。

残りの半日で戦没者が石板に記名されている「平和の礎(いしじ)」や、沖縄の戦争の歴史について詳しく展示されている「平和祈念資料館」を訪れました。最後に、全クラスが合流して、「ひめゆり資料館」を訪れました。当時の高校生と同世代の女学生による沖縄戦での苦しみについて証言したVTRや、その時代のことが書かれた文章を読み、生徒たちは戦争の残酷さや平和への願いを痛感しました。
宿泊するホテルに到着し、夕食をとった後に、沖縄国際大学教授 藤波 潔 先生からお話を伺いました。沖縄にまつわる諸問題から、自分らしく生きるにはどうしたらいいのか、問われました。生徒からも質問が多く出て、とても充実した講演会でした。

白梅の塔

伊原第一外科壕

荒崎海岸

平和祈念資料館

【3日目・4日目】
沖縄の「現在」を学びます。フィールドワークでは7つのグループ(テーマ)に分かれ、さらに、3~4人の小さい班に分かれてタクシーで移動します。事前に訪れる場所を班ごとで計画を立てます。班ごとに沖縄で学ぶための「問い」を設定し、現地のフィールドワークにより、問いの答えを見つけます。

株式会社萌すで魚を捌く体験

琉球泡盛の歴史を学ぶ

又吉農園で飼育や栽培の様子を見学

Community Park coconovaへ訪問

<グループでお世話になったところ>
① 株式会社 萌す(ビジネス・物流・漁業)
② 琉球泡盛(伝統文化・泡盛)  
③ 農業生産法人株式会社又吉農園(食・食品・六次産業)
④ 一般財団法人沖縄美ら島財団 首里城公園管理(歴史・文化・文化)
⑤ 琉球大学 沖縄の生物(外来種・沖縄生物・生命科学)
⑥ 一般社団法人琉球保存協会 沖縄料理(食文化・伝統継承)
⑦ Community Park coconova (まちづくり・地域コミュニティ)

首里城公園にて

琉球大学で沖縄の生物を学ぶ

沖縄料理を体験

現地の方とまちづくりについて意見交換

【4日目の夜】
夕食前のホテルから見える夕日が美しかったです。夕食後は、沖縄国際大学のスマイライフの大学生さんと交流会を行いました。毎年、聖学院の沖縄平和学習でお世話になっていて、県外の学生向けに沖縄の戦跡・基地ガイドや、中高生向けのグループ活動などでサポートしてくださる方々です。はじめは、この平和学習のふりかえりを行いました。残りの時間で、翌日に発表するスライドの仕上げを大学生の方からアドバイスをもらいながら行いました。

美しい沖縄の夕日

いつも楽しい夕食

現地の大学生たちと交流しつつふりかえり

【5日目】
最終日には、今までの学習のまとめとして、班ごとでスライドを作成し、「探究発表会」を行いました。他の班では、どのようなところへ行ったのか、学んだのか、発表を聞き、メモをとりながら共有していきました。どの班も、短時間の作成にもかかわらず、スライドをうまく作って、発表してくれました。それぞれの味が出ていて素敵な発表会となりました。この会の後、国際通りで昼食・買い物をして、那覇空港・東京へ向かいました。

探究発表会

班ごとで発表

沖縄の実情の情報交換

国際通り散策

【沖縄平和学習を終えて】
事前学習は高1の冬休み読書課題から始まりました。ここまで、およそ1年に渡る長い学習期間でした。高1の3学期には、動画等で沖縄についての知識の習得、そして基地問題について考えるワークショップを行いました。高2の4月から、本番3・4日目に行うフィールドワークの準備を中心に進めました。最低2回、現地のアドバイザーの方とオンラインミーティングを行いました。そして、沖縄平和学習本番を迎え、無事にプログラムを進めることができました。事前準備の段階から、多くの皆様にご協力いただきました。この場を借りて御礼申し上げます。(高2学年主任:宮 聡)