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【中学GIL】アニメーション制作を通して映像の原理を楽しく学ぶ

2学期初回の中1GIL(Global Innovation Lab)では、9月7日(土)と9月28日(土)の2日間でアニメーション制作ワークショップを行いました。本ワークショップでは、アニメーション制作を通して映像の原理を学ぶことを目的にし、生徒たちは楽しみながら体験しました。

【Day1:ゾートロープでアニメーションの基礎を学ぶ】
初日は、ゾートロープの制作を行いました。ゾートロープとは、円筒形の筒の中に絵を描いた帯を貼り付け、回転させることで絵が動き出すという、古くからあるアニメーションの原理を体験できるおもちゃです。参加生徒は、キットを組み立て、アニメーションが静止画の連続によって作られていることを実感しました。
その後は、各自でゾートロープを制作。絵を描き、台紙貼り付け、いざ回転!しかし、絵がなめらかに動かないことに苦戦する様子も。10枚程度の絵では、ほんの一瞬のアニメーションしか作れないことに驚き、アニメーション制作の難しさを実感した生徒も多かったようです。

1日目では、ただカメラを向けて撮影したものが映像なのではなく、明るさや滑らかさ、角度によっても伝えるべき意図は大きく変わってくることを学びました。機械を通さず自分の目を使って、写真の連続であるアニメーションをゾートロープで体験してもらいました。ゾートロープを1から手作りし、回るスピードや切り込みの入れ方によって、見える世界が違うことに気づいた彼らの表情はとても豊かに見えました。

【Day2:LEGOと動画編集アプリでクレイアニメに挑戦】
2日目は、動画編集アプリとLEGOを用いたクレイアニメ制作に挑戦しました。参加生徒は、事前に振り分けられた物語の台本をもとに、LEGOでストーリーを表現。コマ撮りで写真を撮影し、動画編集アプリで繋ぎ合わせることで、パラパラ漫画のようにLEGOが動き出し、アニメーションが完成しました。人形の動きはとても繊細で、命を吹き込む作業に彼らはとても集中して取り組んでくれました。最後に全ての作品を繋げ、試写会を行い、参加した中学生や大学生から拍手が起きました。

★完成したクレイアニメ作品「浦島太郎」はコチラから

生徒たちからは、「映像の技術を知り、ゾートロープは難しかったけど、自分がアニメーションを作れるなんて楽しかった!」「始めはまとまらなかったけど、途中から一致団結して完成できたときの達成感すごい」「これからもアニメ制作活動を続けたい」など、大好評の二日間だった模様です。

【サポート大学生のコメント】※二人とも本校の卒業生です
黒沼:今回のGILでは2日間に渡って、映像にフォーカスを当ててきました。今や日常的に映像メディアが浸透し、教育現場でも教材としての地位を築き上げています。いつでもどこでも効率的に情報をもたらしてくれる映像と、どのように向き合うべきなのかを、ビデオの構造を再度研究しながら、考えるきっかけになったら良いと考え企画を立てました。
映像メディアは単なる情報媒体ではなく、人の心を動かす不思議な力を持っています。デジタルネイティブの彼らがその力とどのように向き合い、表現していくのか。当たり前を見直す第一歩になったら嬉しいです。

三浦:映像制作と聞くと、ソフトを買って、良い素材を撮影しないと、いけないと思うかもしれないです。しかし、今回やったように、身の回りのモノを「少し動かして撮影する、繋げる」だけでも、映像を作ることができます。映像制作が身近になった中で、良い風景を綺麗な画質で撮影できる機材を使わなくても映像が制作できるということがわかったと思います。今回、レゴを動かし、撮影して、編集するという簡単な映像制作を知ったあと、自分でも何か人形や人を動かして映像を自由に作ってください!

【担当教員コメント:山本、諸橋、田邊】
2024年度の中1GILの2学期では、生徒たちがより多くのトピックを短期間で体験できるように、これまでの3日間2セットから2日間3セットへとプログラムの形式を変更し、その初回のテーマとして「映像」に取り組みました。デジタルネイティブ世代である生徒たちにとって、映像は情報収集や趣味、勉強など、日々の生活において非常に身近な存在です。しかし、その技術の進化や背後にある仕組みについては、必ずしも十分に理解しているとは限りません。
この映像の学びは、今後の記念祭や自由研究発表会での動画制作に加え、中1情報プログラミングでのさらなるスキルの探求にも繋がることを期待しています。生徒たちがこれからも新たな挑戦を通して成長し続けていくことを楽しみにしています。