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【高校GIC】Project Week中間発表会を行いました

先般9月17日(火)~21日(土)に、高校Global Innovation Class(GIC)の1・2年生によるProject Week中間発表会を行いました。最終日の21日(土)には、本校5階のフューチャーセンターとガイホールを使い、これまでサポートしてくださった外部企業の方々や保護者の方々をお招きして、生徒たちの発表に参加していただきました。また、学内の教職員や中学3年生の生徒たちも観覧しました。

各ゼミの発表内容を紹介いたします。

【哲学-メディア-藝術ゼミ】各自が持つ問いについて自ら思考し、それを何らかの形で表現または発表することで、自身の中の「問い」を常に問い続けることができるゼミ

『MBTIの可能性』担当:井辻光斗(高2)
私はこの哲学ゼミにおいて、MBTI(人の性格を16種類に分類したもの)の可能性を広げるためのアプローチを探求しています。その方法の一つとして、中学の頃から続けているデザインを活用し、各MBTIに適した売れる服を制作することで、そのデータを通じてMBTIの可能性を広げられるのではないかと考えています。
今回中間発表で初めてのピッチプレゼンを行い、「MBTIを用いて特定の人間を模倣できるのでは?」や「実際に会社に提案してみるのが良い」といった貴重な意見をいただくことができました。これらの意見と調査を基に、MBTIの可能性をさらに広げるために、企業への提案や実験を進めていきたいと考えています。
今回の発表で、自分の思いを伝える力が著しく向上したと感じています。その理由は、自分の中では完璧に理解していたとしても、それを初見の方にどう理解していただくか、どう興味を持っていただくかについて試行錯誤したことが大きいと考えています。

 

【生活環境ゼミ】生活問題や環境問題に対し、その課題を持つ人々の視点に立ちながら、課題解決のためのアクションや啓蒙活動を実践するゼミ

『親子カルタ』担当:原田剣之介(高2)
『親子カルタ』は、親子間のコミュニケーション不足を解消することを目的とした革新的なゲームです。小学生以上を対象に、普通のカルタとは異なり体力制度を導入しました。
合計41枚のカードの絵札と回復カードを用いて、親子での対話を促進します。このゲームの最大の魅力は、親と子が「協力」して楽しむことで、親の「苦労」を子供が理解し、「手伝いたい」という気持ちが育まれる点です。互いの自然なコミュニケーションが生まれることで、家庭内の雰囲気が良くなり、不登校や引きこもりへの予防策にもなります。
さらに、思春期に入る前の子供たちが積極的にお手伝いをすることで、親子間のバランスが向上し、責任感やチームワークが学べます。このプロセスが思春期の子供たちとのスムーズなコミュニケーションを育む土台となり、家庭全体の調和をもたらすことを目指しています。
『親子カルタ』は、楽しみながら家事の大切さを学べる機会を提供し、親子間の絆を深めるきっかけを与えられます。この活動は親と子が揃ってこそ成り立つものなので今回の中間発表で親御さんのリアルな声を聞けたので今後の自分たちの活動への大きなヒントを得ることができました。

『Change For The Blue』担当:室谷悠太(高2)
自分はSDGsのゲームを作り、ワークショップを開いています。海の「ごみ・汚れ」を、今後10年間でどこまで減らせるのか体験するゲーム『Change For The Blue』というカードゲームのワークショップを回、SDGsデーと自由研究フェスタという外部イベントで行いました。
SDGsデーではかなりゴミが減り、参加者の中ではこのカードを家でも実践してみたいとおっしゃっていた方もいました。そこで僕たちはルール説明などをブラッシュアップして自由研究フェスに生かしました。今まで中高生が対象でしたが、自由研究フェスタで初めて小学生を対象にゲームをしました。時間配分やスライド内容などを変え、小学生にもわかりやすく実施することができました。
今後はGrow Treeというボードゲームのワークショップをやろうと思います。3人でやる木を育てるボードゲームになっていて、今までの経験を元に作っていきたいです。

『日本在住外国人と日本語』担当:髙橋ロバート栄太朗(高2)
日本語を「難しい」と思う外国人が多いため、少しでも「難しい」を「楽しい」と思っていただけるように「やさしい日本語」すごろくを作成しました。やさしい日本語とは、わかりにくい・難しい単語を、わかりやすく簡単な単語に直すことです。そして日本オリジナル遊具の「すごろく」と「やさしい日本語」を組み合わせたゲームを考えました。日本人もやさしい日本語を通じて外国人と交流できるというのもこのゲームを作った目的の一つです。
私たちの理想は日本在住外国人と日本人との言語の壁をなくすことです。初めてこの問題に直面した時は「看板や標識を全て英語にすればいいのでは?」と思いました。しかし、日本在住外国人の多くは第一言語が英語ではない人が多いため、看板や標識を全て英語にしてもこの問題は解決されないということがわかりました。そこで、私たちは日本在住外国人に日本語を教えるという方向に変更しました。

 

【宗教ゼミ】キリスト教の聖典である聖書の思考方法を探求することで「神を仰ぎ人に仕う」「Only One for Others」を体現する聖人を育成することを目的として活動

『スポーツにおける共同体とは何か』担当:高田遼聖(高2)
去年は中間発表ができなかったので今回が初めての中間発表でした。去年の最終発表とは大きく異なったテーマで今回は研究していき、自分が本当はなにを研究していきたいのかが再認識できた良い発表会だった。発表会を通してここをもっとこうした方が良い、ここもっと調べてみたら?という意見をもらえたので最終発表に向けてそのフィードバックをもとに研究していきたいなと思いました。自分の研究をもっと深め、自分の興味関心だけではなく他の人、世間の興味関心の領域までこの研究を持っていきたいと思っています。

『現代におけるキリスト教の存在意義』担当:武 直輝(高2)
中間発表を通して今のままでは自分の知識欲を満たすための研究になっていることを改めて再認識し、自分の課題が浮き彫りになったことを感じました。そして、自分の中で本当に興味があるのはこの事柄なのか、他にもっとやりたいことはないのか等を考えた上で、自分の研究をより深めていきたいです。
今回他の人の発表を見て、調査方法は、自分で本を調べて読んだり、教会に行っている人達にアンケートを取ってみたり、大学の教授に聞いてみたりと、自分の意見だけでなく他人の意見も取り込むことでより説得力が増すことが分かりました。今後はより客観的に研究を進められるようにしたいです。また、参加者の方から「歴史の観点から見ても面白いのではないか」、「もう少し視点を広げたほうがいいのでは」などの指摘をいただいたので、今後はそういった意見を糧に自分の研究を深めていきたいと思っています。

 

【起業ゼミ】現代の社会問題解決を目標とし、実際に起業という形を通して自分には何が出来るのか日々考え活動しているゼミ

『小松菜を使ったベーグルの販売』担当名前:寺崎颯真(高2)
僕は、野菜の廃棄ロスを削減する為に、形や色が不均等で捨てられる小松菜を使ったベーグルの販売を予定しています。実際にはベーグル屋に小松菜を送り、現地で粉末加工を施し生地に練り込んで製造し販売する予定です。販売日は、10月12日の全校PTAと、11月3・4日の創立記念祭、そして11月26日の聖学院小学校保護者会での販売を予定しています。
僕は今回の発表会で初めて試作品ベーグルの試食会を実施し、来校された方々から多くの意見を頂く事が出来ました。その結果、自分の商品がお客様からどのような目線で受け取られているのか、どのような印象を持たれるのかについて詳しく知る事ができ、大変良い機会となりました。これからもお客様の意見を取り入れ自分の商品を少しでも良く仕上げられるようにしていきたいです。

 

【新ゼミ】テクノロジーによって加速度的に変化していく現代。誰もがあらゆるものをデザインできる環境。その中で「暫定的な正解」を模索し、実験や挑戦を経て失敗から学ぶ姿勢を育むゼミ

SFプロトタイピングのワークショップ担当:大竹亮成(高1)
今回の中間発表はかなり勉強になりました。具体的には時間の配分と、内容の調整です。時間の配分についてはまず、本番に向けての大まかな発表時間がわかり、ワークショップではその手順などの説明をもっとわかりやすくできると時間が減ると思いました。内容の調整については、スライドの量を増やして見やすくし、話す速度や声量をリハーサルしながら確認できたらなと思いました。
あと、Project Weekを通してワークショップの方が自分の体験を直に伝えられるのかもしれないと考えたので、次回の発表ではブースでやっていたスライド発表よりもワークショップの割合を増やしてみようと思いました。
このゼミには先輩がいないため、活動はゼミ全体で困難を極めていました。ですが、先輩がいないからこそ枠にとらわれず、夏休みのリフレクションを一生懸命やって一人一人の本気度が伝わったので、ゼミ全体の士気が高まっていったのだと思います。反省も多くありますが、ゼミ設立初年度の発表のわりには良い出来になったのかなと思いました。

3Dプリンターのワークショップ担当:永井健太(高1)
私は、中1から続けている3Dプリンターを広める活動を行ってきていて、この新ゼミでも取り組み続けることにしました。個人的な位置付けとして、今回の中間発表会はスタートダッシュの宣言、のような形でプレゼンを行いました。
新ゼミは今年からスタートしたゼミで、先輩もいない中イチからの手探り状態で大変な状態ではありましたが、今後に生かせる良い機会になったなと感じました。特に「出会い」と「気づき」の連続で、自分が気づかない視点でアドバイスがもらえたり、ワークショップのお誘いもあったり、驚きました。出会いがこんなに重要なのかと気付かされました。この機会で得たものを今後のゼミ活動に生かして、最終発表に繋げていきたいと思います。

 

【教員コメント】GIC PROJECT・STEAMリーダー:山本 周

今回も多くの方々にお越しいただき、生徒たちがこれまでの学びを形にした成果をお見せできることを大変嬉しく思います。GICでは「やってみる」ことを重視しており、生徒一人ひとりが自分のプロジェクトに真剣に取り組む姿を見て、その成長を感じることができました。

このProject Weekにつきましては、Project(GIC独自科目)の成果発表会であります。特に、今年の生徒たちは「新しい視点」や「挑戦する意志」を持ってプロジェクトに取り組んできました。授業内では高1〜3までがゼミ単位で同じ時間に活動しますので、他者と協働し、共に成長する姿が顕著であり、学年やゼミを超えた学びのつながりが、各プロジェクトをより深いものにしています。高学年の生徒が積み上げてきた知見や経験が、下級生にとって大きな刺激となり、また逆に、下級生の新鮮な視点が上級生に新たなインスピレーションを与える場面も多く見られました。

プロジェクトの過程で、生徒たちは自分たちの意識や価値観を再確認し、そしてそれを社会にどのように活かしていくかという問いに向き合いました。GICでの学びは、単なる知識の獲得に留まらず、未来に向けた「選択肢」を広げる力を育てるものです。今年もまた、生徒たちがこの経験を通じて、自分の可能性を見出し、社会と積極的に関わる力を身につけたことを嬉しく感じています。
お忙しい中、約150名のお客様にお集まりいただき、本当にありがとうございました!今回の中間発表で得た知識や経験、情報などをブラッシュアップし、年度末に実施する『Project Week』の集大成(2025年2月22日開催・会場SHIBUYA QWS)では、さらに充実した成果を発表できるよう邁進してまいります。その時は、ぜひまた多くの方々に足を運んでいただきたいと願っています。