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【高1情報】共同通信イメージズの永野さんをお迎えして著作権講義

例題を見ながら著作権侵害か侵害ではないかを考えるグループワークの様子

10月2日(水)4限、高1D組の情報授業では、株式会社共同通信イメージズから永野 剛さんをお迎えして、著作権に関する講義を行いました。実は、今回の特別授業は4回行っている情報モラル(情報セキュリティ)の第3回目です。パスワードの疑似ハッキング・個人と企業の保管方法・手順書作成を中心にしたワークも行ってきました。

株式会社共同通信イメージズの永野さん

著作権の取り扱いの中で関わる主要な用語の説明をききます

生徒たちのインターネット環境は、生まれた時からすでにそこにあり、家でも学校でも外でも触れないときはありません。当たり前にあるからこそ、それに関わる様々な社会課題を、きちんと知識として備えておくことがとても大事です。
テレビやネットのニュースに欠かせない「画像」を取り扱うにあたって、日本の第一人者といって過言ではない、共同通信に勤める現役の社員の方から学ぶ今日の講義は、本当にわかりやすく、贅沢な時間になりました。また、クラスメイトや友だちと一緒に学ぶことも、重要なポイントです。

永野さんははじめに、著作権侵害は、企業や個人の信用を地に落とすことになりかねない重要な事象であるとし、2020年東京オリンピックのエンブレム問題を用いて、説明されました。当時オリンピックを招致する日本社会においてこの問題は大騒動になり、その後新しく市松模様からデザインされたエンブレムが配布され、私たちの記憶は塗り替えられたように思います。
次に著作物、著作権、肖像権などを学び、特に肖像権では要人たちの写真や、スポーツの場における写真の実用例を共有しました。その後、著作権侵害が争われた例として、ゲームやお菓子のパッケージなどの事例を学び、グループワークの中で生徒たち自身が「著作権侵害である」か「著作権侵害ではない」か、考える場面もありました。そして、時代の経過とともに権利関係が変わる可能性があることを、永野さんから教えていただきました。

グループワーク中は様々な意見が飛び交います

判定の理由もきちんと教わります

今日の学びによって、世の中のあらゆるほとんどのものには著作権があり、基本的な知識を身につけることで、自分や自分の大切な人たちが傷つくことを避けられることを、生徒たちは知りました。友だちとの1枚の写真を、美しい思い出にするもしないも、自分自身のビヘイビア(姿勢・振る舞い)にかかることを肝に銘じなければなりません。お忙しい中、聖学院生たちのために準備をして交流してくださった永野さん、本当にありがとうございました。

 

<永野さんよりメッセージをいただきました!>
実社会での著作権の取扱いについて、実際どのような考え方に基づき取り扱われているかについて、お伝えする機会をいただき誠にありがとうございます。聖学院生のみなさんとても熱心に聞いていただき、SNSを利用する機会も多いこともあり、関心を寄せていただいているのが伝わってきました。
情報1では、情報化社会に関する法規として、知的財産権、著作権が取り扱われており、報道写真や記事は著作権(著作物)に該当します。報道機関は「表現の自由」・「報道の自由」を付託された立場で“伝達のためのメディア”としてニュースを世に知らしめる業務を行っています。

共同通信イメージズでは、テレビや新聞報道で使用している写真や映像を、報道目的以外の利用媒体、たとえば教科書・資料集、一般書籍、報道以外のテレビ番組、広告利用など多くの媒体においての使用許諾を行っています。私たちは最終的な成果物(実物)を作りださず、写真そのものの素材を提供しているため、最終的に何に使われるかは重要な確認事項となります。授業の中では、著作権侵害にあたるかどうかを身近なテーマを設け、グループワークで生徒みなさんにも考えて頂く時間を設け、より身近に感じてもらう仕組みも取り入れています。

使用可能な条件が揃っている状態でも、著作権を意識するあまり“著作権侵害になりそうだから使用しない”といった形で敬遠するケースや、誰かの作品に似ている為、自らのアイディアや創作物を自主規制してしまうケースもあると思います。白黒付けにくいグレーだからこそ、その判断は実際どうしてそうなのか。どのような考え方でそう判断されるかについて、この授業を通じて生徒たち自らで考え、判断する力を習得していただき、そこからメディア・リテラシーを高めるきっかけになれば大変嬉しく思います。ありがとうございます。

生徒からの素朴な質問も丁寧に答えてくださる永野さん

<教員感想:情報科主任 山本
あらゆるものがネットと繋がり、様々なツールを活用しながら誰でも手軽に創作や公開ができる世の中で、著作権やパスワードなど情報モラルは現代の彼らには必須知識です。著作権、プライバシー権を守りながら、全世界に写真・動画を綺麗かつスピーディーに提供してくださっている共同通信イメージズさんからビジネス活用におけるリアルな話も聞くことができ、情報の知識だけなく、生徒たちのキャリアにも繋がったかと思います。