SEIG NEWS

【2学期始業式メッセージ】「グローバル」と「Only One」

コリントの信徒への手紙Ⅱ 12章14~26節

 

2学期が始まりました。
一年で一番成長をする時期
それが2学期だと思います。
この2学期を大切に過ごしてほしいと思います。

その2学期をはじめるにあたり聖学院の中でよく用いられている言葉について考えてみたいと思います。
よく使われる言葉。
「グローバル」と「Only One」
この二つについて考えてみましょう。

まず言葉の整理です。
グローバルという言葉を皆さんはどのように理解していますか。
全世界、地球全体とかそういう感じでしょうか。
グローバルと似た言葉にインターナショナルというものがあります。
インターナショナルという言葉が持っている意味は国家間という意味です。
国同士で、国と国の間で
ここでは「国」「国家」が前提になっています。
これに対してグローバルは国を前提にしない、
国の制限、許可を飛び越えてそれぞれの個人、団体、会社で結びついて行きましょう、
という考え方です。
それが良い悪いはもちろんありますがグローバルとはそういう意味です。

さてOnly Oneです。
このOnly Oneとグローバルがどう結びつくのか。
それが今日、考えたいことです。

私たちはOnly Oneを「本当に自分」「ありのままの自分」と考えてきました。
ありのままの自分にできること
ありのままの自分だからできること
それを人のために役立てよう。
for Othersですね。
これはもちろん間違いではありません。
ただ、この考え方の前提になっているものはどういうものですか。
例えば、「本当の自分」と言った時に「賜物」と結びつけることがあります。
人とは違う、神様からいただいたものという意味です。
ここにある「賜物」というものはどういうものですか。
他者が持っていないもの
人より優れているもの「長所」とほとんど同じ意味になっていませんか。
私の長所を伸ばして、他者の役に立つ、貢献をする
それも確かにOnly One for Othersの意味です。
ただこれはOnly One for Othersの半分の意味でしかありません。
長所がある
良いことです。
そこでお尋ねします。
長所があるとはどういうことですか。
長所があるとは同時に何を生み出していますか。
短所を生み出している。
短所があるということでしょう。
その短所をどうしますか。

修正しますか
何かを貼り付けて補いますか。
削り落しますか。

私たちが「長所」「短所」という言葉を使うときに何を背景にしているのでしょうか。
「長」は「優」で「短」は「劣」としていませんか。
優劣で「長所」「短所」を考える。
それが普通でしょう。
ただOnly Oneはそれとは違います。
「ありのまま」「本当の」自分と言いました。
それはいわゆる「長所」だけに限定しているものではありません。
「短所」もOnly Oneです。
長所、短所は優劣ではありません。
その凸凹が私なんです。
それを大切にするのがOnly Oneです。
私たちが短所と思っているもの。
それは誰かが補ってくれるスペースです。
誰かがそのくぼみで力を発揮してくれます。
誰かのために必要なスペースなのです。
そこを埋めたり、形を変えてはいけないのです。
だからありのままでいなければならない。

凸凹の私たち。
それはパズルのピースのようなものでしょう。
形が違うからはまり合うことができる。
私とあなた
私たちとあなたたち
この国とあの国
異なるものが結びつく。
それがグローバルでしょう。

私たちが自分に嘘をついて短所と思い込んだものを修正する。
そんなことをすればグローバルは出来上がらなくなります。
自分についてもそうですが友達に対してもです。
友達の短所としか見えないもの。
それを否定したり、修正しようとする。
それもグローバルを妨げる行為なのかもしれません。

Only One
何が必要か。
許すことです。
愛することです。
自分を許し、愛する。
他者を許し、愛する。
今は見えなくても、今は分からなくても
必要ないと思っているもの
それが必ず何かとつながり大きな風景を作っていく。

平和を作る。
世界が結び合う
それは私の凸凹、Only Oneとしっかり向き合うことから始まります。
世界に必要なたったひとつのピース。

グローバルとOnly One
世界と私
つながっています。

2学期
それを確かめてください。