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【高1情報】卒業生・武蔵美大4年生の田村君によるAIに関する特別授業

武蔵野美術大学卒業にあたり制作した修了作品を用いた田村君の特別授業

本校の卒業生・田村義希君は、武蔵野美術大学 造形構想学部 クリエイティブイノベーション学科に進学し、この度修了制作展2024において、「会話から下心をリアルタイムに特定するAI」で優秀賞を受賞しました。この嬉しい報告が届き、ぜひ田村君に高1情報の時間で制作にあたっての取り組みを伺いたく、先般2月22日(木)と27日(火)の2日間を設け、A・B・C・D組で特別授業を行いました。

作品を紹介する田村君

”下心”の例

授業の中では、生徒が田村君の作品やWebブラウザを体験したり、田村君の聖学院での学校生活や大学生活を聞いたりしました。
田村君の作品は、自分の発言が適切な “欲の表現” であるかを問いかける作品です。制作のきっかけは、世界トップクラスのアルコール耐性のない日本人が、「呑みに行こう」という発言・表現を多用することへの違和感だったそうです。
技術的には、300人のインタビューから開発した“下心特定専用のChatGPT” と音声認識を組み合わせることで、リアルタイムな体験を実現しているそうです。
制作物としては “下心が見えちゃうメガネ” だけれども、相手の下心を見ることが目的ではなく、『 “自分の欲の表現” として “その発言” に自己満足しているか』を問いかけることが目的だそう。
※参考:武蔵野美術大学 優秀作品展(2024年4月中)コチラ

実際の展示

実際に作品をつかって対話をしている様子

【授業を行った田村君のコメント】
授業では、必ずしも『プログラミング→情報系進学』ではない、という話をさせていただきました。
今回の作品の場合「プログラミング×デザイン」でしたが、情報系に関わらず自分のやりたいことは1つのカテゴリに決めることは出来ないかもしれないし、決める必要もないかもしれません。
実際、私は理系から美術大学に行き、大学ではラーメンとAIを作り、大学卒業後は銀行でデザイナーになるKHAOSな人生ですが、これが自分が望んでいたモノでした。
こんな私の人生が実現できているのも、中高3年間の担任だった宮先生はじめ、聖学院のOnly One教育あってこそです。テスト評価だけではない居場所を与えてくれ、私の人生の歩み始めを作らせてくれました。
そんな聖学院で、大学卒業間際にOBとして授業する機会を頂いたことを非常に嬉しく思います。山本先生有り難うございました。生徒の皆さん、聖学院のこれからをお祈りしております。

田村君の説明にあわせて取り組む生徒たち

実際に会話をしながらシステムを体験

【山本教諭のコメント】
呑みに行くことへの違和感(日本人の50%がアルコールに対して耐性がない)と、美大生のリアルなコミュニケーションの苦手さを掛け合わせ、さらに生成AIを組み合わせ、発した言葉から連想される言葉を提案するというもの。着想、プロダクトへの落とし込みが秀逸で、脱帽です。カッコよすぎた!そして、優秀賞おめでとう。今回の特別授業も二つ返事で快諾ありがとう。
そして、大学卒業おめでとう!社会人、頑張ってください!!

在学中の思い出を語りながら田村君を紹介する山本教諭

生徒からの質問に気さくに答える

授業を受けた生徒たちは、「好きなことや興味があることは一つに絞らなくていい、掛け合わせて価値観が広がる」「想像でしかなかった大学での学びを近くに感じられた」「今あるアイディアや視点、小さな違和感を大事にしたい」など、これからの学校生活を良くするカケラをたくさん得ることができたようです。