【3学期始業式メッセージ】大きく広い世界を見る(1月9日)
マタイによる福音書2章1~12節 占星術の学者たちが訪れる
聖人になる。
今学期も、聖学院の建学の精神について一緒に考えていきましょう。
聖人のお手本。
それはイエス・キリストです。
そのイエス・キリストの誕生物語、クリスマスの記事を読みました。
このクリスマスの物語に聖人のヒントがあります。
そのヒントとは何か。
クリスマスの物語を読み解くことから始めましょう。
東方から占星術の学者たち一団がエルサレムにやってきます。
時の王さまヘロデに向かって尋ねます。
「新しい王様はどこで生まれたのですか」
「私たちは突然現れた星に導かれて、ここまでやってきました」
「その星は新しい王の居場所を知らせてくれていると信じてやって来ました」
これを聞いたヘロデ、エルサレムの人々は不安を覚えます。
そのようなことは知らなかったからです。
ヘロデに至っては、自分と同じ王様が自分以外にいるということです。
王様は一人だけ。
私か、新しい王か。
ヘロデの結論は当然の結論を下します。
どこのどいつか分からない者に王の位を譲るわけにはいかない。
この国を守るため、自分の位を守るため
新しい王を亡き者にしよう。
この人たちの思いを簡単に言葉にすると、こうなるでしょう。
「お前なんかいらない」
お前なんかいらない、と言っている王様、エルサレムの人々
この人たちはどういう人たちか。
イエス様の家族と同じ民族、同じ国の人々です。
イエス様と近い人々です。
近い人
お前なんかいらないと言う人たちです。
これはイエス様だけに起こったことでしょうか
もう一方でイエス様が王様だと喜んでいた人々がいます。
イエス様になんとしても会いたいと思っていた人々がいます。
東方からの占星術の学者たち一団です。
彼らはどういうものか。
イエス様とは生まれた所も、生活をしている所もまったく別の所のもの。
遠い人です。
クリスマスの物語が私たちに告げていること
イエス様とはどういう方なのか。
聖人とはなんなのか。
近くの者には分かってもらえないものです。
「いらない」とまで言われるものです。
それはイエス様にも原因があるでしょう。
近くのものたちが大事にしている風習、習慣、伝統、
それをイエス様は無視をします。
みんなから嫌われているものと仲良くします。
安息日には何もしてはいけない、と決められているのに、平気で活動をします。
近くのものたちはイエス様が間違っていると思います。
お前なんかいらない、と言い出します。
イエス様はどうして近くのものの言うことを聞かないのか。
遠くを見ているからです。
これは遠くでも通用することなのか。
近くだけ、ここだけで成り立っているものなのか。
距離が遠く離れているも遠くです。
時間が離れている未来も遠くです。
遠いところ
遠い先
イエス様が見ているものは広い世界です。
そこでも通用することはどういうことなのか。
私たちの視界はどうですか。
近くのものに気を配り、心奪われていると近くだけの世界
小さい世界しか見えなくなります。
ここでしか通用しないものしか行えなくなります。
遠くを見る。
近くのものに心を持って行かれなければ、きっと遠くが、もっと大きく広い世界が見えてきます。
聖人とはなんなのか。
近くであっても遠くであっても行うこと。
今であっても、未来であっても、すること、できること。
変わらないこと。
それを見出し、行っていく。
3学期が始まります。
近くても、遠くても変わらないもの
本当のものは何か
それを見出せる聖人への歩みを進めていきましょう。