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【クリスマス礼拝メッセージ】クリスマスの本当の物語(12月20日)

マタイによる福音書1章18~25節 イエス・キリストの誕生

今日で2学期は終わりです。
9月から始まって4か月、色々なことがあったと思います。
楽しいこと、つらいこと、あったでしょう。
それは、この2学期だけのことではないことは皆さんも分かっているでしょう。
この先も、ずっと嬉しいこと、つらいこと、色々なことがあります。

聖学院は毎日、礼拝を守っています。
それは嬉しいこと、つらいことがあっても、心をちゃんとしていられるようにするためです。
つらい時に心が乱れる。
これは分かるでしょう。
嬉しい時、実はここでも心が乱れています。
嬉しい時、有頂天になった時、大きな失敗をする。
聞いたことはあるでしょう。
もしかしたら皆さんの中にも、そういう経験をしたことがあるかもしれません。
それは心が乱れていたからです。
嬉しい時、つらい時、心が乱れないようにする、そのために守られているのが毎日の礼拝です。

今日はクリスマス礼拝。
聖書もクリスマスの物語を読みました。
クリスマスの出来事。
ここにも心を乱した者
その心を整えることを行った者が登場します。

ヨセフという男性。
このヨセフにはマリアという結婚を約束している女性がいました。
結婚の約束ですから、まだ結婚はしていません。
結婚をしていないのにマリアが赤ちゃんを宿していることが分かった。

当然、ヨセフの心は乱れます。
心、乱したヨセフが決意したこと。
マリアのことが表ざたにならないように縁を切ろうと考えます。

表ざたにならないように。
おそらくヨセフはマリアには自分以外に愛する者がいるのだろうと考えたのです。
本当の赤ちゃんのお父さん。
その人と一緒になればマリアも幸せになれるし、表ざたになることもない。
ヨセフはそう考えました。

ある晩、ヨセフは夢をみます。
天使が現れ告げます。
「恐れるな
マリアを妻として迎えろ。
胎の子は聖霊によって宿った。
その子はインマヌエルと呼ばれる。
それは神、我らと共におられる、という意味である」
夢から覚めたヨセフはマリアを妻として迎え入れます。
そこでイエス様が生まれた。
物語は単純なものです。
この単純なものの中から心の整え方を読み取っていきましょう。

ヨセフが心を乱したことは分かります。
では、ヨセフの心が乱された原因はなんでしょうか。
自分の知らないところでマリアが妊娠をしていた。
それは大きなことでしょう。
ただ、物語が語っていることはそれだけではないでしょう。

マリアのことを表ざたにしたくない。
これはどういうことでしょうか。
表ざた。
簡単に言えば沢山の人に知られるということです。
人に知られたくない。
ヨセフは人を気にして、自分の考えをすすめていました。

天使がヨセフに告げた第一声
「恐れるな」
ヨセフの心はどうして乱れていたのか。
ヨセフはなにがしたかったのか。
ヨセフは人の目を恐れていた。
人に叱れないようにしたかった。

自分以外の者に心を持って行かれていた。
自分以外の者が怖かった。
それがヨセフです。
そのヨセフに天使は言い放ちます。
「恐れるな」

どうして恐れなくていいのか。
神が共にいるから。


聖書の考える神は時間よりも空間よりも大きい方です。
その方と人格的なやり取りができる。
人格的
「私とあなた」の関係です。
人格的でない関係。
「私とそれ」の関係です。
神は私を「それ」とは見ていない。
私も神を「それ」とは考えていない。
「私とあなた」
ちゃんとしたやり取りができる方が私をちゃんと見ている
何よりも大きい方が一緒にいる。

ならばなにを怖がる必要があるのか。
誰を怖がっているのか。
何も怖がる必要はない。

「恐れるな
神があなたと一緒だ」

怖がらない。
自分以外のところに心を持って行かれない。
自分のところに心を取り戻す。
乱れていない心
本当にしたいことが分かってきます。

ヨセフは何がしたかったのか。
人が怖くないなら何がしたいのか。
マリアが大好きだった。
マリアと一緒になりたかった。
世間がどうこういおうと、マリアに別の誰かがいるのではなど
自分以外のものはどうでもいい。
ヨセフは自分のしたいことをします。
ヨセフは自分の一番したいことをしたのです。
マリアを妻として迎え入れる。
それがクリスマスの物語です。

この物語をもし信じるなら
あなた方
したいことをしなさい。

したいことが、人を傷つけること、悪いことだったら、どうするのか。
それでもしたいことをして良いのか。
そういうくだらない議論を吹っ掛けて来る者もいますが
人を傷つける、悪いこと
それは心に自分以外のモノが貼り付いているから起こることでしょう。
自分以外を気にして行うことは、私の本当にしたいことではありません。
本当にしたいこと、そこに「悪」が介在するはずがありません。

本当にしたいこと。
それを見つける。
それを行う。

ヨセフはそれを行いました。
そこに生まれたのがイエス・キリストです。
したいことをする。
そこに神はやって来る。

私のしたいこと。
2023年のクリスマス
冬休み
探してください。

神と出会うために。