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【中学GIL】MakeyMakeyを使ってゲームプログラミング体験

2学期のGlobal Innovation Lab(GIL)では中学1年生から3年生合同で、MakeyMakeyを使ったゲームプログラミングを3回に渡って行いました。知識を学ぶだけでなく、仲間との協働作業も重要なポイントになる取り組みは非常に難しく、しかしながら生徒たちは、大好きなゲームを作る側に立てることがとても嬉しかったようです。

【Day1~Day3の概要】
Day1ではscratchの基礎を学び、後半に簡単なゲームを自作してもらいました。話したことのない上級生ともコミュニケーションをとりながら、ゲームの発表時には自ら発表したいと手を挙げるなど、積極的に取り組んでいました。

Day2ではMakeyMakeyを使用して太鼓を作り、簡易的なインターホンを押すとコンビニの入店音が流れるプログラムを作成しました。プログラムが思うように動いていない時も諦めることなく、何が間違っているのか入念にチェックし、トライアンドエラーを繰り返していました。MacBookに触れたことのない生徒もいる中でiPadとの違いに悪戦苦闘しながらも、生徒同士が協力しあう様子がみられました。

Day3ではDay2でとったアンケートを元に3つのゲーム「いらいら棒」「インベーダーゲーム」「パックマン」から班で一つ選び、アレンジしました。普段遊んでいる時には意識しないようなゲームの仕組みや、班で一つの作品を作り上げる難しさを学びながら、熱心に取り組む姿が印象的でした。

また、自らMakeyMakeyとの融合を思いつき、自分たちでコントローラーを作成している班もありました。教員や大学生の誘導がなくとも既習事項との繋がりを見出す力、エラーさえも作品として昇華しようとする発想力は、きっと今後も生徒たち自身の糧になるはずです。ロボコンの際よりも自由度が高くなり、ワークも難しくなりましたが、楽しみながら集中して課題に取り組んだ3日間でした。

【生徒の感想(抜粋)】
・今までやったことないことを教えてもらった。
・自分の班にすごいイライラするゲームを作っていてすごいなと思った。
・コントローラーは作り込みが深い。
・難しかったが楽しかった。
・プログラミングは大変だったけど面白かった。
・自分でゲームを作ることにとてもやりがいを感じた。
・プログラムの奥深さを知れて良かった。今度は操作ができるプログラムを作りたい。

【大学生サポートの感想】
(末廣さん)
自分が想像しえなかったアイデアが多数あり、生徒から学ぶことができる良い循環が生まれていました。アイデアを形にしようとトライアンドエラーをするプロセスに生徒自身の成長がつまっており、その経験から次に活かそうとする態度はモノづくり人材の育成の非常に大切な一連の流れだと感じさせられます。
今回のGILでは、生徒に「プログラミング」と「音」を個々に触れ、何が具現化でき、それらが何を可能にするのかを3回のチャプターを通して、体験していきました。どちらも領域としては異なります。ですが、何かに触れることは作品の完成をゴールにしている生徒もいれば、それらの体験を大事にしている生徒もいます。そうしたゴールの違いが新しいものを生み出す「目線」の獲得につながると思います。
一方で、GILは、個々の働きだけではなく「協働(チームワーク)」の要素もあります。社会では、プロジェクト一つ動かすのに何人ものヒトの知恵をもってして、大きな歯車を動かします。ですので、少数で何かを完成させる経験を肌で感じることができるのはGILの強みだと考えています。

(伊藤さん)
最近、主体的に・多角的にという言葉をよく耳にすることが多くなったような気がします。またそれは、主体的に行動すること、多角的にものを見ることが求められる年になったことも意味するのだろうと思います。
実際、「主体性」と「多角的に物を見る」ことは、その言葉を使ってあれこれ言っていれば様になったりそれらしくなったりはしますが、実行とその言葉自体の咀嚼もとても難しいと感じます。多角的に物を見ることは、様々な経験をし、その経験からこうでもない、ああでもないと自分なりに思考し、自分の意見を持ち、それを元に自分から行動していく先に主体性があるものと思います。その「主体性」と「多角的に物を見ること」がこれから、特に意識して求められる聖学院生である中学一年生の彼らに、自身で思考する場と経験する場としてGILがあればいいと考えています。
生徒たちがトライアンドエラーを繰り返し、成長する場面に関わる者として、今後のGILのあり方を考え、彼らをサポートしていければと思います。

(黒沼さん)
同じ聖学院を卒業したものとして、元気一杯の彼らと話すことは何か懐かしさを感じつつ、GIL活動の楽しみの一つでもあります。
今回のワークショップでは、scratchでのプログラミングとMakeyMakeyを使ったハードウェア制作の二つの視点が組み合わさってできています。つまり「システムをより動かしやすくするためにはコントローラーが必要だ。」ということ。これは一見すると当たり前の思考回路のように思われがちですが、立派な問題解決の土台です。 
自分の得意な部分、良さを十分発揮することで、彼らのポテンシャルが上がります。素晴らしいところを評価するだけではなく、ムーブメントを起こして周りを巻き込むことが大切です。彼らのユーモアとパワーが発揮される舞台としてGILは機能しているのではないでしょうか。

(阿知波さん)
情報が溢れかえる現代において、いかにビックデータを的確かつスピーディに処理し有用な情報を得られるか、デジタルリテラシーの獲得は必要不可欠です。GILにおける大学生の立場は「わからないことがあればすぐに相談できる先生のたまご」といった体をなしてきましたが、本クールでは生徒に調べる能力を身につけてもらうため「どうしたら解決できるか、一緒に調べてみよう」という声かけを積極的に行ってきました。
また、版権キャラクターのイラストを描いてゲームのアイコンにしようと考える班のメンバーに対し、キャラクターの二次使用と著作権の関係について言及する生徒がいるなど、ゲームの作成をするにあたってもプログラミングを教えるだけではなく学びの扉は多岐にわたることを実感しました。
単なるプログラミング教室ではない、大学生の専門分野も多種多様なGILならではの魅力をこれからも模索していきたいと思います。

【担当教員:諸橋・山本】
2学期のGILも盛況のうちに無事終えられました。大学生チームの活躍もあり、年度を重ねるごとに内容や運営がパワーアップしていることを感じます。教員が知らなかった生徒たちの得意分野に気づくこともでき、授業とはまた違った生徒の一面をみることができました。今は年明けのワークショップに向けて着々と準備を進めているところです。ぜひ楽しんで学んでいきましょう。