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【中学GIL】カードゲームで体験「はたらくってなんだろう?」

「ソーシャルテーマ」と「キャリア観」のカードゲームを楽しみながら「はたらく」を自分事に

9~10月の中学GIL(Global Innovation Lab)では、「はたらく」をテーマに、“自分が心から興味の湧くこと”、“自分が自然と努力できること”について考えてみました。

概念工作家である村山昇先生の著書「働き方の哲学」によると、“仕事=想い×能力”と定義されています。自分が想いを持てることに対して、自分の強みである能力を発揮することで、自然と価値がうまれ、活躍することができるという考え方です。

今回はその考えをもとに、自分にとっての「想い=なんのためにやるのか」と「能力=なにができるのか」について、二日間にわたってカードゲームやチームでの研究・発表を通じて、学んでいきました。

【DAY1】9月30日
1学期に中3国語の島立教諭の授業で、言葉を啓くことを目的に、アクティブ・ブック・ダイアローグ(ABD)を用いて「高校生からのリーダーシップ入門」を読解していきました(HP記事はコチラから)。ABDは、一冊の本をそれぞれが担当箇所を決めて読み、お互いに自分の担当した章段を説明しながら、本を読解していくという手法です。この手法を使えば効率的・協働的に本を読み進めることができます。

今回GILは、この授業をさらに発展させ、生徒一人一人に「リーダーシップ」が身につくことを期待してあらためて「高校生からのリーダーシップ入門」を選書しました。「リーダーシップ」とはなんなのか、「リーダーシップ」に必要なスキルはなにか、それはどうすれば身につくのか、ということを考えましたが、生徒たちは感想で「『リーダーシップ』を部活の連携などで活かそうと思う」や「一人で引っ張るのが「リーダーシップ」なのではないことがわかった。記念祭の準備でグループワークをするときには今日学んだことを生かし、みんなで意見を出し合えるように自分が『リーダーシップ』を発揮していきたい」など、前向きな意見がでました。

1学期の中3国語、島立教諭とともにABDに取り組む様子

そして、取捨選択していくカードゲームを使って直観的に自分の「想い」と「能力」を探っていきます。
株式会社パラドックス提供のメディアvisionsが開発した「ソーシャルテーマ」と「キャリア観」についてのカードを使用し、4〜5名に分かれてプレイしました。
ソーシャルテーマとは、世の中にある様々な仕事の背景にある想いを15種類であらわしたもの。「文化をつくる。伝える」「人の挑戦、自己実現を応援」など、仕事やビジネスの原動力となる想いを表現しています。
一方のキャリア観は、人がどんな行動の中でワクワクするかを18種類に定義したもの。何をするときに自然と力が湧くか、夢中になれるかを考えるヒントになります。

ソーシャルテーマ

キャリア観の概念図

カードを1枚引いて、1枚捨てていくだけのシンプルなルールですが、「これも興味がある!」「これも捨てがたい!」と生徒たちは悩みながら取り組んでいました。そして最終的に自分にとって大切な3枚を手元に残します。なぜこの3枚を残したのかを順番に発表していくと、それぞれが普段から心の中でなんとなく持っている考えや、こういうことがしたい、という想いを聞くことができました。

カードゲームを楽しみつつ、自分の「はたらく」をイメージしていく様子

一旦自分の中に今ある想いや能力を認識したところで、DAY2にむけてのワークに移っていきます。ソーシャルテーマを知って終わりではなく、チームで1つのソーシャルテーマを選び、それに関連するサービスや商品について研究・発表をおこなっていきます。それにより、1つのビジネスや仕事にもいろんな想い・価値としての側面があることに気づき、社会の捉え方を広げること、自分が将来したい仕事のイメージを膨らませることを目的としています。
今回生徒たちが研究対象にしたものは、たとえば「街をつくる。地域に貢献する」というソーシャルテーマに関連するサービスとして、阪急電鉄の地域開発について。「自然との共生。循環型社会の創造」というソーシャルテーマに関連するものとして、廃油回収サービスを選んでいるチームなどがありました。

選んだサービスについて
・選んだソーシャルテーマは何か
・関連するサービスや商品の名前、なぜそれを選んだのか
・サービスの詳しい内容
・作り手の想いや考え方
・実際に使った人の声、感想
・サービスによってどんな影響が生まれているか
・調べて見て感じたこと、学んだこと
これらを研究し、3人チームでDAY2での発表にむけて準備を進めました。

仲間と相談してプレゼン資料をつくっていきます

【DAY2】10月14日(土)
発表にむけてのプレゼン資料づくりと発表、感想のシェアをおこないました。
1チーム5分という時間配分の予定でしたが、調べた内容を伝えることに熱がこもり、時間をオーバーして語る生徒たちが多く見られました。これまではサービスの受け手、消費者として捉えていた事柄について、その仕事をする人の想いやそのサービスが生まれた背景について考えることは、生徒たちに視点の変化を生み、もっとこういう社会になっていけばいいのではないか、という意見をも持たせていました。

発表する様子

日々生活していくなかで出会うサービスや商品はたくさんある中で、それぞれの背景やそれによる影響を想像し、自分の中で探究していくことは、将来の仕事選びやキャリア選択において、きっと有効な資産として活きてくるのではないかと感じています。(GIL担当:山本 周)