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自分で見つけた「自分自身」を大切にする(10月5日全校礼拝にて)

新約聖書ヨハネによる福音書 1章19~28節 洗礼者ヨハネの証し

 

聖学院は聖人を作る学校です。
聖人とは何か。
一人の聖人について今朝は考えたいと思います。

洗礼者ヨハネ。
この者は聖人と言えます。
どこが聖人なのか。

ヨハネはイエス様より少し先輩です。
ヨハネはヨルダン川で「罪の赦し」の洗礼を授けていました。

人はいずれ神様の所に帰る。
その時、神様に喜んで迎えられるのか、追い出されるのか、
生きている者にとって、とても重大な問題です。
生まれたままでは神様のところに行けない。
洗礼を受ける。
もう一度生まれ変われれば神様の所に帰れる。

その洗礼を授けていたのがヨハネです。
ただ、ヨハネは誰にでも授けていたわけでなく、
別の聖書の箇所では洗礼を受けに来た人を追い返しています。
「そんな態度で洗礼を受けられると思っているのか」という調子です。

受けられないとなると神様から追い出されてしまいます。
ヨハネに認めてもらえるか、もらえないか、それが大きな分かれ道になります。
選別をされる。
限定される。
そうなると、どんどん人はそこに興味を持ち群がっていきます。
ヨハネの活動は社会現象になっていきました。

ジャッジをする裁判官のような働き
また人生を保証する働きもありましたから、ヨハネは世の中で、とても注目をされていました。

その一方で、おもしろくないのはヨハネが登場する前まで、ジャッジを下したり、人生の相談役になっていた人々です。
それが当時の宗教家、祭司、レビ人、ファリサイ派の人々です。
この者たちがヨハネの所に出向きます。
それが今日の聖書の場面です。

ヨハネに対して「あなたは誰か」と物語上の質問はなっていますが、ここでの問いかけの本質はこうです。
あなたは誰の許可を得て、こんなことをしているのか。
免許はあるのか。
資格はあるのか。

ここでの宗教家の質問はあなたを保証するものはなにか?です。
これはNumber One型の質問、世界観です。
大きな仕事をするのには、あなた自身以外の何かの支えがないとできいはずですよね。
冨、人脈、地位
自分以外のものが貼り付かなければ人は大きな仕事はできませんよね。
そういう世界観です。

これに対してヨハネは「そんなものはない」と答えます。
私は「声」だと言います。
大昔の預言者が言った「主の道をまっすぐにする」
そのために来た者だと言います。

ヨハネは自分は自分以外のものに頼ってはいない。
自分の信じたことを行うだけだ。
正しいと信じるものを行うだけだと語ります。
Only Oneです。
他のものに頼らず、自分で見つけた「自分自身」を大切にする、です。

自分の信じた正しいこと。
その後、ヨハネは王様ヘロデの結婚が正しい結婚ではない、と批判します。
影響力あるヨハネです。
王様が黙っているはずがありません。
ヨハネは殺されてしまいますが、この姿勢はイエス様にも受け継がれていきます。
正しいことを誰にも怯えず、誰の許可も求めず、信じた通りに行う。
イエス様も十字架にかかりますが、これもOnly Oneです。

みなさんに命を落とせと言っているのではありません。
Only Oneの性質を分かってもらいたいのです。
Only Oneとは自分の体がどうなっても貫きたいものです。
自分の体以上に大切なもの。
それを見つけられるとはおそらくもっとも幸せなことなのでしょう。
何よりも大切なもの
Only One 私の賜物 私の仕事
それと向き合ったものが聖人です。

何が私のOnly Oneか
何よりも大事なOnly Oneか

中間試験が始まります。
自分の得意なもの、興味のあるもの
出てくるでしょう。
試験を通して見えてくるでしょう。
ここに私のOnly Oneがあるのではないか?

Only Oneを探す時間を今日も続けてください。