【シリーズ:聖書の思考回路】第1回
聖学院は「聖人を養成する学校」です。
初代校長・石川角次郎先生の言葉です。
その後、第8代校長・林田秀彦先生の頃から Only One がモットーとして定着してきました。
「聖人」と「Only One」、辞典で引くとまったく違う言葉です。
違う言葉ですが聖学院ではこれが重なり合っています。
同じ内容を持っているものと考えられています。
聖学院が考える「聖人」とは何か。「Only One」とは何か。
これをこれから少し長い期間になると思いますが、このブログでお伝えしていこうと思います。
「聖人」と「Only One」これらは聖書の考え方から生まれた表現です。
聖書には聖書独自の考え方があります。
独自の考え方、これを「聖書の思考回路」と呼びましょう。
「聖書の思考回路」を明らかにする。
そうすれば聖学院が大切にしている「聖人」「Only One」の内容が明らかになっていきます。
「聖書の思考回路」とは何か。
お話をしていきます。
まずは歴史についての話からです。
聖書は現在66巻の書物から成り立っています。
旧約聖書と呼ばれるものが39巻。
新約聖書が27巻。
ふたつあわせて66巻です。
旧約と新約の違いはイエス・キリストの誕生で分かれます。
キリスト誕生前が旧約、誕生後が新約です。
ですからこの66巻という言い方はキリスト教の言い方になります。
同じ聖書を正典にしているユダヤ教はキリストの誕生を認めていませんから、旧約のみ39巻を正典としています。
先ほど「現在は66巻」という言いました。
実はもっとたくさんの正典になる候補の書物があったと考えられています。
現在の66巻は選別をして残ったものです。
旧約聖書も新約聖書も同じです。
選別をして残されたものです。
選別をしたことは分かっています。
ですがその選別の基準は分かっていないのです。
歴史的には会議で決められたことになっています。
ただ、会議でいきなり決定したとは考えられません。
それまでの歴史経緯、習慣、伝統などが加味されているはずです。
それがどのようなものなのか、確かなことが分かっていなのです。
ただ選別をされたのですから、何かがあったはずです。
何かを基軸にして聖書(正典)に入れるもの、入れないものが分かれていったはずです。
基軸、基準
それが「聖書の思考回路」なのではないか。
「思考回路」を共有しているか否か。
それが正典に入るか、入らないかを分けていったのではないかと想像するのです。
物語中に「モーセ」や「イエス様」、おなじみの人物が登場してきたとしても「思考回路」が共有されていなければ正典には数えられなかった。
そういう背景があったのではないか。
その「思考回路」から聖学院が掲げる「聖人」「Only One」も生み出されています。
「聖人」「Only One」は聖書の根底と関わっています。
「聖書の思考回路」とはどういうものなのか。
次回、これを更に深堀していきましょう。