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【高1GIC】5・6時限 STEAM(美術)授業

高ⅠのE組は Global Innovationクラス(GIC)です。このクラスの特徴の一つとして、毎日5・6時限は独自科目で時間割が編成されています。5月11日(火)は、美術科の伊藤隆之教諭が生徒たちと一緒に、卵テンペラ絵具をつくる実験を行いました。伊藤教諭から以下のレポートが届きましたので、紹介いたします。

 

卵テンペラとは500年以上前に流行っていた古典技法のひとつで、ボッティチェリやフラアンジェリコらが描いた絵が有名です。
身近に手に入れられる卵を媒材(接着剤)とし、顔料と練り合わせて描画する絵画技法です。
卵を媒材とした絵具は、乾燥して安定すると非常に堅牢で、油絵具のような黄変(油が茶色くなる。)がしにくく、色鮮やかな色彩が保たれるとされています。
有機物であるのに、保存性が高いのは意外なことです。

STEAM(美術)では、古典技法、そして本物(リアル)を体験してもらうことで、現代の技法とのつながりを考え、何らかの新しい価値やヒラメキを見出してほしいと考えています。
なかなか卵テンペラ絵具を実習として授業で体験してもらうのは、難しいと思っていましたが、ついに実現しました。
準備がとても大変でしたが、自分自身が研究し続けてきた専門性が、学びのメソッドとして生徒に還元できたのはとても嬉しいです。

現代と古典との間を行き来きし、体験によって手と目と脳が連動することで、埋もれている点と線が結びつき、イノベーションが生まれるのではないでしょうか。
体験を通してその点が知識に変換され、線としてイメージが浮かび上がり、空間が広がってゆくんでしょうね。

STEAMは美術、情報、理科の観点で授業を進めていますが、現在はバラバラに散らかった点を拾い集めています。
2学期くらいからその点が線となり、イメージが空間となり、生徒たちの思考を広げてゆこう考えています。