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聖学院座談会「帰国生の今、そして未来」

 聖学院はグローバリゼーションの時代を見据えて21世紀型教育を行っていますが、世界各国から帰国生を積極的に受け入れているのもその一環です。今回は在学する帰国生に集まってもらい、聖学院でどんなことを考え、未来を拓こうとしているのか語ってもらいました。

左から、黒木くん(中3)、金川くん(中3)、平方校務部長、三井くん(中2)、山本くん(中3)、山岡くん(中2)

 平方先生:まずは、君たちの「今」に大きな影響を与えている海外での生活について、どんな体験をしてきたのか教えてください。

 三井くん:ハワイでの生活はとてもすみやすいものでした。ハワイと言えば、たしかにアメリカなのですけれど、いろんな国から観光客が訪れるし、アジア人なども多くて、ボストンやニューヨークなどのイメージとはまた違うと思います。とにかくいろいろな国の人がいて、日本とはまったく雰囲気が違いました。

 金川くん:たしかに当たり前だけれど、外国は日本と違います。イギリスは、日本に比べれば治安はあまりよくないんですよ。テレビなどでロイヤルファミリーの報道など華やかですが、やはり日本とは経済や文化は相当違うと感じました。

 山本くん:日本にいたときは、スポーツは何もやっていなかったのですが、アメリカで野球の試合を見て、野球に興味を持つようになりました。それで地元のリトルリーグに入りました。それ以来野球はぼくにとって大切なものです。聖学院の部活でも野球を続けています。

 黒木くん:インドに3年以上住んでいました。BRICsということで、とても発展しているんですけれど、日本に比べてインフラはまだまだです。停電など日本では考えられないほど多いのですが、インドについた初日からエレベータがとまり、あのときの驚きは忘れられません。

 山岡くん:ベルギーは、自分の国の言語がないんですよ。日本とはまるで感覚が違います。オランダ語やフランス語、ドイツ語を使っています。やはりいろいろな人がいるんですが、おもしろいことに、いや、そうだからかもしれないけれど、一致団結しているというイメージの強い国です。

 平方先生:本当に多様な体験をしてきたんだね。聖学院に入学して、互いに異なる体験について語り合えるというのは、日本では貴重な機会だと思う。さて、その聖学院の生活や 学院生活の中で見つけた将来への挑戦などについて話してくれるかい。

 金川くん:他の国からの帰国生の話が聞けて楽しいです。ぼくは父がイギリス人なので、イギリスに頻繁に行きますが、帰国生というわけではありません。だから、余計に楽しいのかもしれません。彼らと話していると、帰国生に負けないぐらい英語を勉強しようという気持ちが強くなります。

 

 

 山本くん:先ほども言いましたが、野球をやっています。部活は本当に楽しく、このまま野球関係の仕事につきたいとますます思うようになりました。自分の一番好きなことを貫きたいと思うことを応援してくれる学院ですよ。

 黒木くん:部活動も本当に楽しいですが、聖学院は世界の人々について考えるチャンスが多いのです。高2の沖縄の平和学習について先輩からいろいろ聞きますが、争いのない世界について、しっかり考えていきたいと思います。

 

 

 山岡くん:聖学院は、個性豊かな人が多いから、本当におもしろい。先生も生徒も個性の豊かさが、外国とはまた違います。新たな経験をしていると思います。将来はいろいろな言語を話したいと思います。EUはたくさんの国が集まってできているため、たくさんの言語を話せないと、実は個性を感じることは難しいのです。英語はたしかに公用語なんですが。

 三井くん:聖学院はおもしろい!楽しい!友達や先輩たちがいっぱいいるので学校生活も部活動も楽しいです!おもしろい感覚が、将来なりたいエンジニアに大いに役立つと思っています。エンジニアの仕事も、楽しそうですからね。

 

 

 平方先生:中2・中3の段階で、将来の夢を持っているのは大事なことだ。将来科学の領域で働きたいと思っている人に教えてもらいたいのですが、科学技術の分野では、例えば地球に似た惑星の発見や宇宙の起源の探求など、遠い将来を見据えた研究につきたいですか。それとも、例えば発電の高効率化やがん治療機器開発など、すぐにでも解決が望まれる研究をしたいですか。どちらのタイプなのかな。

 三井くん:ぼくは機械をつくってみたいです。仲間といっしょに色々なアイデアを出しあって、研究したいです。小さいころからLEGOで遊んだり、物を作るのが大好きだったから、MITに行って、エンジニアになりたいです。

 金川くん:2011年のノーベル賞受賞者の研究に感動しました。身の回りにあるものからだれも発見できない物を発見できる人になりたいです。

 山本くん:研究畑というより、すぐに解決できるものを作れる仕事がしたいです。病気などで困っている人を少しでも助けたい。。。

 

 

 

 平方先生:ほんとうに個性的で多様なアイデアをもっているね。さて、黒木くんと山岡くんは、今までの話からすると、国際関係の領域で活躍したいと思っているようだね。テーマもしっかりしている。「人々が希望を抱いて生きられる社会」を実現するために、何かしたいわけだよね。

 黒木くん:はい。貧しい人が生まれない社会にしたい。アフリカなどの貧しい国々に対し、国単位ではなく、豊かな人々がどのような支援ができるのか考えています。

 山岡くん:EUで働きたいと思っています。PIIGSなどの経済が不安定な国を安定にするような仕事をしたいです。

 

 

 

 平方先生:みな具体的なイメージを持っているけれど、行きたい大学のイメージもあるのかな。三井くんは、MITと言っていたけれど。

 三井くん:はい、MITというイメージですね。

 山岡くん:どこの大学というところまではまだですが、イギリスの大学を考えています。

 金川くん:ぼくも最終的にはイギリスの大学で学びたいです。自分の血とつながる国だからです。

 山本くん:アメリカの大学で、野球したいですね。

 黒木くん:海外の大学で、いろいろな社会の仕組みを勉強したいですね。日本の社会がよりよい社会になるにはどうしたらよいのか。それを考えるためにも、外から見てみたい。それにはまずはアメリカの大学かなと思っています。

 平方先生:みんなの話を聞いて、体験とそれを通じて見つけた一番好きなことや興味のあるものを抱くことが、何よりも「未来」のイメージを描くエネルギーだと改めて感じた。今日は本当にありがとう。