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「6.23 命どぅ宝の日」に思う

沖縄では6月23日を「命どぅ宝の日」として平和を祈念する日としています。
太平洋戦争末期の「沖縄戦」では住民を巻き込んだ激しい地上戦が繰り広げられました。昭和20年(1945年)3月下旬に始まり、6月23日に組織的な戦闘が終結するまでに、日米合わせて20万人以上の死者を出したばかりか、そのうち沖縄住民の死者は何と9万4000人にのぼったのです。この沖縄戦では、十代の中学生、師範学校生、女学校生たちが戦場に次々と動員され、多くの命が奪われました。
1991年に始まった本校高校2年生の沖縄平和学習も今年で29回目を迎えます。現在はご高齢になって直接伺えないのですが、5,6年前まで毎年生徒が伺ったのが、「ひめゆり学徒隊」の生き証人であられる宮良ルリさん(1926年生まれ)の証言でした。宮良さんは、「ひめゆり平和祈念資料館証言員」として、ご自身の長い沈黙を破って1989年から自らの戦争体験を語るようになりました。毎年百数十回の講演を引き受け、声が出る限り「命どぅ宝」(命こそ宝)というメッセージを伝え続けて下さいました。軍国主義教育に人生をもてあそばれ、「戦争のない時代に生きたかった」と最期の言葉を残して死んでいった多くの友を、彼女は忘れることはできないのです。戦争のためにどれほどの尊い血と涙が流されたか、これからの日本を担う高校生に、心の底から、あたかも懇願するかのように問いかけて下さいました。「二度と戦争をしてはいけません。この命のバトンをお渡しします。受け取ってくれますか?」