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何事にも時があり・・・

一学期の終業式に、アンパンマンの作者やなせたかし氏の言葉を紹介しました。プロの漫画家として全く鳴かず飛ばずの時期が40代~50代まで続き、一方では他の若い漫画家が次々とヒット作を出して世間で認められていった。絶望の闇の中でもがいている時、大先輩の漫画家杉浦幸雄氏から次のように言われたそうです。「やなせ君、君が落ち込む気持ちはわからんでもないが、人生はね、一寸先は光だよ。いいね。途中でやめちゃったら終わりだよ。」
彼は大先輩が声をかけてくれたことも嬉しかったけれど、「人生、一寸先は闇」ではなく、「一寸先は光」なのだと目からウロコが落ちた気がしたと振り返っています。彼はこの言葉に救われ、次の詩を作って自分を勇気づけたそうです。

絶望の隣に だれかが そっと腰かけた 絶望は となりのひとにきいた
「あなたはいったいだれですか」 となりのひとはほほえんだ。
「私の名前は 希望です」

この詩は本校55回卒業生の小室等氏によって作曲されテレビで流されると大反響を巻き起こしたそうです。自分を励ますためにつくった歌が、他人を励ますことになったのです。この後、ようやく69歳の時、テレビアニメ「それいけ!アンパンマン」が放映され大ヒットしたのです。
最近は聖書のコヘレトの言葉3章「全てに時がある」がしっくりきます。「求める時、失う時、保つ時、放つ時・・・」全ての計らいにも時があるのだと納得する。人を責めず、実りなく自分も責めない。そうすると、不思議とストレスもたまらないのです。