中学2年生 フェアトレード・ラベル・ジャパンの講演を行いました
中学2年生の公民の授業の中で、フェアトレードについて学びました。
現在、公民の授業では国際経済の単元を学習しています。ここまでに自由貿易と保護貿易の違い、戦後の世界の貿易体制の変化(GATT体制⇒地域的経済統合⇒FTA)、南北問題とODA(政府開発援助)、外国為替制度について学習しました。
資本主義社会では貧富の格差が発生することを前提としています。「経済」という言葉は「経世済民」という語が語源になっているといわれています。経済システムは「人の幸せ」のために存在するはずです。しかし、現実には「人のために経済がある」のではなく、「経済のために人が存在する」という状況になってしまっています。どのようにすれば、「人の幸せ」のために経済が存在するようになるのか?ということを生徒に考えてもらいたいと思いました。
そこで、フェアトレードのDVDを視聴し、その後、NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンの方に来ていただき、講演をいただきました。フェアトレードとは「公正な貿易」を意味します。このような言葉が存在するということは、実社会では多くの「不公正な貿易」が行われていることを示しています。しかも、「不公正な貿易」を行っている人たちは自身でそのことを理解していない、というのが現状です。講演会では様々な矛盾点に生徒たちは気がついたようでした。
「どうすれば、多くの人が幸せになる経済システムを生み出すことができるか?」。このことこそ聖学院中学校高等学校が目指す社会科のテーマである「答えを生み出す」(≠「答えを覚える」)教育だと考えています。
次週は環境問題を学習し、その後、日本ナショナルトラスト協会の方に講演をしていただく予定です。