【図書館】「震災復興 本が果たした役割」を終えて
12月9日(土)、第4回高度教養寄付講座「震災復興 本が果たした役割」を開催しました。今回、お越しいただいたのは、「『走れ!東北』移動図書館プロジェクト」のリーダーで、シャンティ国際ボランティア会南相馬事務所所長の古賀東彦さんです。
古賀さんは、震災直後から被災地に入り、生活支援から始まり、移動図書館車を使った被災者との交流を6年間、行ってきた団体の責任者です。
「立ち読み、お茶のみ、お楽しみ」モットーに、岩手県・山田町、大槌町、大船渡市、陸前高田市、宮城県・山元町、福島県・南相馬市の6カ所で、車に2000冊の本を載せ、2週間に1回のペースで本の貸出を行ったそうです。
最初は、「本を読む気になれない」「本が好きだったのに、活字が頭に入らなくなってしまった」と言っていた人が、次第に「本を読んでいる間は現実を忘れられる」「お礼状の書き方の本が読みたい」「動物の写真集が見たい」とリクエストを出すようになってくれたお話や、「立ち寄りやすい」と同時に「立ち去りやすい」環境になるよう工夫されたお話などを伺いました。
支援が「押しつけ」にならないよう、さまざまなことに気を配って活動されていたことが伝わりました。
聖学院中学校高等学校図書館では、これまで、図書委員会主催の雑誌即売会での売り上げのすべてを、この移動図書館プロジェクトに寄付してきました。現地での活動は、少しずつ地元のボランティアに移管されつつあります。シャンティが撒いた種が育って、その活動を引き継いだNGOも立ち上げられました。
図書館では、これからも震災の記憶を胸に刻み、被災地の図書館とつながっていきます。
参加者の感想はこちら⇒聖学院中高図書館「司書室日記」