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【報告】イギリス・オックスフォード研修 (3/20~4/3)

イギリス・オックスフォードの街から

引率者:宮 隆允(化学科教諭)

 昨年度引率をされた先生から、「これまで訪れた中で最も物語性がある街。とにかく世界観がすごい。」という前評判を聞いていたので、頭の中では「きっと感動的な街並みなのだろう。」と想像はしていた。私自身が20年弱ぶりの海外ということもあり、ロンドンに着いたところからすべてのものが新鮮に映った。ただ近年の情報技術の発達により、たいていは写真で見ることができるもので、感動的かと聞かれると「事前に聞いていた通りだな。」というのが正直な感想であった。

しかし、オックスフォードに到着して一夜明けた朝、中心部を歩いた私の口からは「はぁ~」「ひぇ~」というセリフしか出なかった。“言葉では言い表せない”という表現は、まさにこのようなときに使うのだろう。はちみつ色のライムストーンで造られた統一された建物群、現代文明から隔絶された中世のような小道、まさに街全体がおとぎ話の世界である。すべて同じような建物に見えるが、日本の平安時代に建てられたものから江戸時代に建てられたものまで、時代は様々。(窓の形や壁の材質で見分けることができるとのこと。)日本史で例えるならば、平安京と安土桃山城と江戸城下町が一つのエリアにそのまま残っているような感じ。なんとも不思議。なんとも感動的。

午前中はほとんど雨か曇りの日々。これもまたイギリスらしい。東京ではあまり見かけない雲の速い流れ、雨上がりの午後に見える青空と光り輝く雲。高い建物が無く、また雨が多いためか、とにかく空が広く澄み切っている。この空気感も、オックスフォード滞在における一つのアクセントだろう。ボードリアン図書館や自然史博物館、クライストチャーチなど、歴史的な観光名所はもちろん、なんてことない普通の街角すら絵になる・・・オックスフォードとはそんな街であった。

さて、私自身は自由時間にそんな過ごし方をしていたわけであるが、肝心の生徒たちもとても楽しんでいるようである。(残念な予定変更はあったが・・・。)願わくば生徒たちには、観光都市・文化都市としての表面的なオックスフォードのみならず、日常の些細な出来事から垣間見れる社会問題や国際問題、異文化理解といった課題も感じ取ってほしいと思う。短い経験ではあるだろうが、その記憶を糧とし、彼らの“賜物”をもってそれに立ち向かってゆく、そんな大きな若者になってほしい。

ところで、私がオックスフォードに滞在して良くなかったことを一つ挙げるとするならば、あまりに毎日が充実しすぎてしまい、日本から持ち込んだ仕事がほとんど進まなかったことであろう。そんな中でも、毎日CIEから出される宿題に加えて、春休みの宿題をしっかり進めている生徒を見ていると、頭が下がる思いである。