【報告】中3糸魚川農村体験学習の作文
5月23日~26日に実施した中3糸魚川農村体験学習の感想文をご紹介します。
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日本の農業の問題点 中3-C 小野颯
私が農村体験学習で印象に残ったことは、主に2つあるが、その1つは、初日にタケノコを採りにいったことだ。生まれて初めてトラックの荷台に乗ったということもあるが、タケノコが生えている山に登ったとき、とてもキツイと感じたことが印象に残った理由である。若く元気な私たちでもキツイと感じる程の山を、農家の方はひとりで往復している。そう考えると、農家の方には尊敬を覚えた。また、それと同時に心配になった。この作業をひとりでやっているということは、誰の助けを借りることもできず、怪我をしたりしても助けがくるのが遅くなるということである。ひとりで雪かきをして落下して亡くなる事故や、ひとりで農作業をして怪我をして、そのまま放置されたということをニュースを聞いたことがある。しかも最近では農業をする人の平均年齢が上がってきている。事故は起こりやすくなっているのだ。そう考えると、日本の農業の若者離れや農業人口の減少がとても身近な問題として感じられ、恐ろしくなった。
そしてもう1つは、田植えの体験をしたことだ。私は2列しか植えなかったが、それでも結構な時間がかかり、腰や肩など体の様々なところに負担がかかった。普段は機械を使っているだろうと思って農家の方に聞いてみると、意外な答えをいただいた。機械を買っても農家が所有する土地の面積が小さいので、機械の値段とつり合わないのだそうだ。それを考えると、今までのそのようなことを考えもしなかった自分がとても恥ずかしくなった。そしてここでもまた日本が抱えている農業の致命的ともいえる欠点や問題点が浮き彫りになって、恐ろしくなった。
この他にも色々な体験をした。そして、その1つ1つから大いに学ぶことができた。農業の内側からしか見ることのできない部分がたくさん見えた。教科書などである程度理解していると思い込んでいた農業の問題を、実は全く理解できてなかったのだと思い知らされた。経験のありがたみが分かった。
こういった体験は、将来の進路を考えるのにとても有意義なものであったと思う。いつも私たちの食生活を支えてくださっている農家の方々への感謝を決して忘れることのないように生きていきたい。そして、日本の農業の重大な問題点をこれからもしっかりと考えて、より良い社会をつくりだせるような人間になりたいと思う。
経験と感謝 3-C 新海 武
今回、糸井川体験学習ではさまざまな体験をした。田植えや植林のほかにも、食器洗いや窓ふきも自分にとっては初めての貴重な経験となった。そして経験の中からいろいろと考えた。
田植えで考えたこと。私は2列しか植えていないのであまり疲れなかったが、機械が入っていけない田んぼなどで、手作業で田植えをするということはとても大変なことだと思った。また、自然の災害のことも考えた。事前学習などでも学んできたが、農家の人たちはとても苦労をしてお米を作ってきたのだと思った。自分が泊めていただいた家では、宿屋と農業の2つのお仕事をされている兼業農家だったが、そこでも農業は大変だというこことを聞いた。自分が今まで何気なく食べてきたお米も、このようにして農家の人たちがとても苦労をして作ったものだと考えると、今まで以上に本当に感謝して食べなければならないものだと思った。
植林をして考えたこと。実際に体験をしてみて、苗木を植えることはとても大変だということが分かった。何十年もかけて育ってきた木を切り、材木や紙を利用して人間は生きている。人間たちが切った分は元に戻さなくてはならない。土砂崩れなどで土地がはげてしまったところにも木を植え育てていくことが必要である。田植えと同じように、木を植える人にも感謝をしなければならない。
そして、自分が最も感謝をしなくてはならない人は、自分を育ててくれた両親だ。今回の体験学習でほんの少しだが家事の手伝いをした。皿洗いなどは初めてやったが、毎日やるとなると大変だと思う。洗濯たたみや、掃除など、ほかにもたくさんある家事を一人でしている母には本当に、本当に感謝をしなくてはいけないと思う。そして、暮らしていくのに必要なお金を稼いでくれている父にも感謝しなくてはならないと改めて考えた。
糸魚川体験学習は、「糸魚川に行って色々なことをやって帰ってくる」だけのことだと思っていた。しかし、体験の中でたくさんの人と関わり、自分の親について、自然について考えることになった。将来のことは全然見えていない私だが、「誰か1人でもいいので、他人に感謝されるような人間になりたい」という目標ができたことは大きいと思う。世界が変わるということまでの経験ではなかったが、今までよりずっと感謝ができるようになった。これからも自分を育ててくれる人達に感謝をしていこうと思う。